地下鉄東豊線建設促進期成会連合会(会長:牧野晃清田地区町内会連合会会長)は7月2日(月)、札幌市役所を訪れ、秋元克広市長に「地下鉄の清田方面延伸」を重ねて要望しました。

秋元市長に地下鉄延伸を要望する清田区、豊平区の町連会長ら(右側)

 市長要望には、清田区と豊平区の各町連会長、顧問の道議と市議、期成会事務局員ら総勢25名が参加しました。

要望内容を秋元市長(手前)に説明する牧野期成会会長

 はじめに、牧野会長から秋元市長に要望書が手渡され、その趣旨を牧野会長が説明しました。

 期成会は要望書の中で「かつて札幌市が策定した地下鉄建設計画の中で、清田方面の延長だけが唯一実現していない。清田区民は大変不便をかこっている」「今後、高齢化が進むにつれ、自動車免許返納で移動に不自由をきたす区民が多くなる」「同じ市民税を払いながら地下鉄のない清田区民は、公平な税の恩恵を受けていない」といった区民の声を紹介し、地下鉄延伸を強く要望しました。

 さらに、①清田区役所周辺を地域中心核として整備するには地下鉄延伸が必要不可欠②地下鉄の需要喚起のためにも札幌ドーム周辺(農業試験場)活性化策の検討を③同様に農業試験場用地に冬季ナショナルトレーニングセンター誘致を④清田区役所周辺に多くの人が集う地下鉄需要喚起施設を⑤国道36号、羊ケ丘通りの渋滞解消のためにも地下鉄延伸をーの5つの観点から地下鉄延伸を訴えました。

秋元克広市長

 秋元市長は「地下鉄延伸が清田区民の悲願であることは認識している。思いは皆さんと同じです。そして清田方面は、札幌市の地下鉄建設計画の中で唯一実現できていない区間だが、予想される乗車人数が足らず、実現できていない」とし、従来通りの慎重な姿勢に終始しました。

 これに対し、期成会側からは切実な声が相次ぎました。

 清田中央町連の鈴木亨会長は「市長は3年前の選挙公約で、『冬季オリンピック招致に合わせて地下鉄延伸の採算性を検討したい』と表明したが、何もしていない。地域住民として全く納得できない。もし仮に市長が次期市長選に出馬されるのであれば、『ドーム周辺開発と地下鉄延伸の検討』を引き続き選挙公約に入れてほしい」と訴えました。

 北野町連の伊藤昭夫会長は「最近は札幌都心部の再開発が目につくが、清田区のビジョンはどうなっているのか。うちの町内会(350世帯)でも最近、4軒が中央区と北区に転出した。交通が不便で生活しづらいからだという。札幌10区の中でも生活しやすい区としづらい区に分かれてしまうことを心配している。ぜひ、清田区は西友清田店付近に地下鉄駅、バスターミナル、総合施設などからなる地域中心核を整備してもらいたい」と要望しました。

 最後に、期成会顧問の三上洋介市議(豊平区選出)が発言しました。

「札幌市の当初の計画に清田区までの地下鉄延伸が組み込まれていた。地域の方は一日千秋の思いで待ち焦がれてきた。市長の苦しい立場も分かるけど、子どもや若者に夢を与えるためにも、地下鉄延伸はその目玉だと思う。これは市長の政治的決断にかかっている。急には需要は増えないが、流動的人口の増加策などで延伸実現の可能性はあると思う。市長の決断に期待する」

 地下鉄東豊線建設促進期成会連合会は、清田区5町連、豊平区5町連、清田地区商工振興会、札幌清田ライオンズクラブで構成し、さらに今年から清田区内の全100町内会も構成団体に加わっています。期成会は昭和56年(1981年)から「地下鉄を清田区へ」の活動を粘り強く続けています。清田区は札幌市内10区の中で唯一、JRも地下鉄もない区です。

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