9月6日の地震で大きな被害が発生した清田区里塚地区の里塚中央町内会(盛田久夫会長、330世帯)は、住民の多くが被災する中、何とか復興しようと頑張っています。

被災地区を行く町内会の夜間パトロール

 里塚1条1丁目、2丁目地区では、地盤と道路の陥没、家の傾き、土砂の大量流失など大きな被害が出ました。

 盛田会長によると、札幌市の応急危険度判定で、里塚中央町内会では家の傾きや損壊で「危険」(赤紙)と判定されたのが約60戸、「要注意」(黄色い紙)が約40戸もありました。「調査済」(緑色の紙)と判定された家でも、家の中は亀裂が入ったりするなど大きなダメージを受けたそうです。

 見慣れた景色が一変した地域。盛田さんら町内会役員は「できることからやろう」と、地震発生後3日目から、住民による夜間パトロールを毎晩続けています。空き巣防止と危険カ所のチェックが目的です。

 最初、町内会役員9人でスタートし、今では16人体制になりました。3班に分かれ交代で実施しているそうです。

 先日、夜間パトロールに同行させていただきました。この日は9人がパトロールに参加しました。パトロールには豊平警察署の制服警官が1人必ず付いてくれます。これは心強いでしょうね。

 被害の大きかった地域は、多くの人が避難しているため、静まり返っていました。パトロール隊は、懐中電灯で危ない箇所等を照らして見回りしていました。

町内会をつなぐ掲示板

 また、町内会は掲示板をゴミステーションの横など12カ所に設置しました。これは、回覧板が班を通じて回せなくなったためで、地震に関する情報連絡のほか、一般の回覧板で流す情報なども掲示しているそうです。

 地震で壊れた家財道具などの臨時回収も町内会が間に入って、市のごみ収集車に地域の公園に来てもらい9月24日に行ったそうです。

 最大の悩みは「先が見えない」ことのようです。多くの人が避難先で暮らしていますが、今も町内会員です。大半の人が町内会とつながっています。

 盛田会長は「戻りたいけど戻れない人もいます。一部損壊と言われた人は、この先のメドが立ちません。みんな不安を持っています。先が見えないのです」と、現状の苦しさを話してくれました。

里塚中央町内会の夏祭り盆踊り大会=2016年8月、里塚中央ぽぷら公園

 里塚中央ぽぷら公園は、地域の憩いの場で毎年8月、町内会の夏祭り盆踊り大会の会場になっていました。地震で大きく陥没し、来年は無理かもしれません。

 どうやったら地域は復興するのか。盛田会長は、熊本地震の例など独自に情報を集め始めています。

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