国際協力機構(JICA)北海道センターの招きで北海道の道路管理状況の視察・研修に来ている中央アジア8か国10名の視察団が11月22日(木)、里塚・美しが丘地区センター(清田区里塚2条5丁目)を訪れ、地域の住民らと歌や踊りで交流しました。9月6日の地震で大きな被害が発生した里塚1条1丁目地区も視察しました。

「みんなで元気に歌おう会」との交流会

 視察団は、キルギス、タジキスタン、カザフスタン、ジョージア、アルメニア、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、ウズベキスタンの政府及び地方政府の道路建設や道路維持・管理の責任者と技術者たち10名です。

 一行は10月31日~12月15日の間、道庁や札幌市、道路関係の企業、道内各地の道路事情などを視察・研修しています。特に、寒冷地における日本の道路管理技術などに強い関心を持っているとのことです。

「百万本のバラ」を歌う視察団一行

 また一行の祖国はいずれも地震国だそうで、清田区の地震被害にも強い関心をお持ちだそうです。

民謡を披露

 ハードなスケジュールで研修を行っていますが、唯一、一般の住民と触れ合う機会が、この日の里塚・美しが丘地区センターでの交流会です。

一緒に輪になって「里塚小唄」を踊る

 同地区センターで活動している「みんなで元気に歌おう会」(小山内國行代表)の会員50名が視察団一行を出迎え、まず「ふるさと」や「上を向いて歩こう」などのコーラスを披露しました。さらにロシア民謡「カチューシャ」を歌うと、一行もロシア語で歌いだし、ロシア語と日本語が一つになって大きな合唱になりました。

94歳の地元住民に民族の帽子が贈られる

 「みんなで元気に歌おう会」は、三味線、尺八の演奏で日本の民謡も披露。さらに、地元に伝わる里塚開拓の歌「里塚小唄」を踊り付きで披露しました。すると、視察団一行も踊りの輪に加わり、会場は一気に盛り上がりました。

 「里塚小唄」を踊った地元住民の最高齢者は94歳の男性。それを知った視察団一行は、男性に民族帽子をプレゼントし、感謝の意を表しました。

 視察団一行も、「百万本のバラ」をロシア語で歌い、応えていました。短い時間でしたが、心のこもった交流になり、視察団一行も笑顔で盛んに感謝していました。

里塚の地震被害の状況を視察する一行

 一行はインフラ整備の仕事をしている関係で、9月6日に発生した清田区里塚の地震被害にも強い関心を示しました。まず、同地区センターで「ひろまある清田」の川島亨編集長から被害の概要を聞き、その後、里塚1条1丁目の現場に出向いて清田区土木部職員の案内で現地を視察しました。

 かつて川があった所を埋めて造成した住宅地が地震による液状化で沈下し、家が傾くなどの被害が発生した、との説明に「こうした所にどうして宅地の開発許可が出たのか」などの質問がありました。

一行は復興方法にも強い関心を示す

 現場では、この日も盛んに道路の応急補修工事や地下水位調査などが行われており、一行は復旧工事や地質調査の様子にも関心を示し、スマホで写真を撮っていました。

 JICA北海道は毎年、アジアやアフリカから研修・視察団を招いており、一般道民との交流会を毎回、必ず里塚・美しが丘地区センターで行っています。

 その応対をしてきたのが「みんなで元気に歌おう会」の清田区民です。外国の視察団の交流は今年で10年目になります。ハードな研修日程の中で、一つだけある地域住民との交流プログラムは、視察団の皆さんにとってほっとするひと時であり、かつ日本人の素顔に接する機会でもあり、人気のメニューになっているそうです。

 清田区の地域住民でつくる「みんなで元気の歌おう会」が国際親善に果たしてきた役割は大変大きいと思われます。

交流会に参加した全員で記念写真

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