清田区平岡のチェンバロ奏者、明楽(あけら)みゆきさんが6月15日(木)、北海道神宮本殿で北海道神宮例祭の奉納公演を行いました。

 北海道神宮という独特の空間で、豪華絢爛な打掛(うちかけ)を身にまとった明楽さんがチェンバロを弾く。見事な和と洋の文化の融合が繰り広げられました。

 この日は本来、境内の神前舞台で奉納公演が行われる予定でしたが、あいにくの雨模様だったため本殿内での演奏になりました。

 チェンバロは17世紀から18世紀にかけてヨーロッパで人気のあった鍵盤楽器です。優美で優しい音が特徴です。その後、ピアノが発明されたため、今では希少な楽器です。

 明楽さんは、美しい打掛(日本の女性の着物の種類の一つ)姿で登場、簡単にチェンバロの説明をしてから演奏に入りました。

 NHK朝ドラ「マッサン」のテーマソング「麦の唄」や「涙そうそう」などのおなじみの曲を演奏。さらに、チェンバロが活躍した時代のバロック音楽から、バッハ「アヴェマリア」、カッチーニ「アヴェマリア」、ヘンデル「パッサカリア」の3曲を演奏しました。

 やはりチェンバロで聴くバロック音楽はいい感じですね。そして、それを北海道神宮で聴くというのも独特の趣がありました。

 明楽さんは京都出身。先祖は近江商人で、北前船で北海道と本州を結ぶ交易を行っていたそうです。そうした事情もあって2010年に「現代版北前船プロジェクト」を立ち上げ、かつての北前船の寄港地を訪れ、北海道と北前船寄港地との物流の歴史や文化交流の話をしながら、チェンバロを演奏する活動を続けています。

 北海道神宮での公演でも、曲の合間に北海道と本州を結んだ歴史や交流を話し、北海道の素晴らしさを語っていました。

演奏終了後、チェンバロを観客に解説

 明楽さんは、平岡でピアノとチェンバロの教室を主宰する傍ら、チェンバロを車に積んで全国で演奏活動を展開しています。京都の世界遺産・天龍寺や建仁寺でも奉納公演を行っています。

 地元の清田区では、今年5月13日(土)、イオン平岡店内でチェンバロコンサートを行いました。

 これからの予定としては6月28日(水)、北海道立文学館で開催される「2017新緑のバロック」に出演します。開演は19時。

 また7月1日(土)、新善光寺(札幌市中央区南6西1)で行われる「京ことば源氏物語~第四帖夕顔」というイベントにも出演、チェンバロを演奏します。こちらの開演は14時です。

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