9月6日未明の地震で、清田区清田2条2丁目の清田通に面した渡部製作所の建物付近で、地中の土砂が大量の水とともに噴出しました。噴出した土砂は5メートル低い建物裏側の土地や道路に堆積。かなり除去しましたが、ダンプで8台ほどあった模様です。

崩れ落ちた石垣。ここから大量の土砂が噴出か?右側には渡部製作所の建物がある

 この付近は、地下の土が大量に流失したため、渡部製作所の建物は傾き、付近の道路や土地もひび割れやうねりが見られます。地下に大きな空洞が生じたのでは、という不安が広がっています。

渡部製作所の建物。表は事務所、裏側(左側)が学生下宿

 渡部製作所は住宅建設の会社で、建物は2階建て。清田通に面した部分は会社事務所で、裏側は学生下宿になっています。

事務所の内部。窓が変形している

 下宿には近くの札幌国際大学の学生12人が住んでいますが、建物はドアが開かず、人が住めるような状況ではないそうです。このため、建物は取り壊さざるを得ず、学生たちにも退去してもらうことにしました。

堆積した土砂を取り除く作業=9月12日8時40分

 建物の裏側は、高低差5メートルほどの段差で低くなっていて、崖はブロック石で固められていますが、地震の揺れか、噴出した土砂の勢いか不明ですが、大きなブロック石が崩れ落ちてしまっています。

 土砂はこの崩れ落ちた所から噴出した模様で、渡部製作所裏側の道路に長さ数十メートルにわたり堆積しました。

 札幌市などとの連絡、交渉で東奔西走した地元の清田町内会の猪野毛昭男会長は「地震とともに土砂が流れ出し、あたり一帯の道路に深さ30~40センチほど堆積しました。道路の土砂は除去してもらいましたが、家と家の間にはまだかなり堆積しています」と話しています。

 大量の水がなぜ、どこから出てきたのか。渡部製作所の建物地下に大きな空洞ができているのではないか。地震から7日目になるますが、まだよく分かりません。建物も傾きが増しているそうです。地元では不安が広がっており、「早く札幌市は調査してほしい」との声が高まっています。

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