ピンクのカタクリと青いエゾエンゴサクが咲く突哨山=2025年4月24日

カタクリが咲く遊歩道

 前から一度行きたいと思っていた、カタクリの群落で有名な旭川市の突哨山(とっしょうざん)に行ってきました(2025年4月24日)。ちょうどカタクリとエゾエンゴサクが満開で見事でした。

突哨山

 突哨山は上川盆地に突き出た細長い丘陵地形の山で、旭川市と比布町にまたがっています。札幌から高速道路で行き、旭川北ICから10分余りで着きました。

 突哨山には、突哨山口、カタクリ広場口、村上山公園口の3か所の入り口に駐車場とトイレがあります。カタクリ広場の駐車場に車を停めました。

「ヒグマ注意」の看板

 山の遊歩道入口に突哨山の地図案内とともに「ヒグマ注意」の情報板があり、のっけからびっくりさせられます。なんでも昨年も一昨年も突哨山の遊歩道にクマが出たそうです。

情報ボックス台。突哨山のパンフや貸し出し用のクマよけの鈴などが入っている

 入り口の情報ボックス台の扉を開けると、突哨山のパンフとともにクマよけの鈴が置いてあったので、鈴を一つ借りて身に付けました。

 そして「カタクリルート」と呼ばれる遊歩道を歩き始めました。最初は上り坂が続きますが、森の遊歩道が整備されていて、気持ち良い散策ができます。この山の遊歩道「カタクリルート」を歩いて突哨山口まで2.7㎞を歩くことにしました。

 山に入ってしばらくすると、遊歩道の両側に紅紫色のカタクリと青紫色のエゾエンゴサクの花が現れ始めました。カタクリとエゾエンゴサクの花を見ながらの山の中の散策となります。

 ほかにナニワズやヒメイチゲ、キクザキイチゲ、フクジュソウなどの春の花も咲いていました。

 森はシラカバ林があったり、針葉樹林の整然とした林があったり、変化も楽しめます。途中、突哨山頂上(239m)で小休止しました。頂上といっても木々に囲まれていて、眺望はまったくよくありません。

突哨山の山頂。右端はクマよけの金属の黒い筒。叩くと大きな音がする

 遊歩道のところどころに、金属製の黒い筒が吊り下げられています。叩くとカーンと大きな音がします。クマに人間がいることを知らせるクマよけのものだそうです。山頂にも、これがありました。

 そういえば、遊歩道で行き交う人のほとんどがクマよけの鈴をつけて、チリンチリンと音をたてながら歩いていました。

エゾエンゴサクの群落

 さらに遊歩道を進んでいくと、一面が青紫色のじゅうたんのようになっている所に出ました。エゾエンゴサクの大群落です。自然のままの山の中で、このエゾエンゴサクの大群落は見ものです。

 ここで足を止めて、しばらくエゾエンゴサクの大群落を見つめ、写真に収める人が多くいました。

エゾエンゴサク

 やがて「南折り返し」と呼ばれる地点を過ぎてから下り道になり、「木もれび分岐」と呼ばれる地点に到着。ここには「花案内人」がいました。どうやら突哨山の指定管理者であるNPO法人「もりねっと北海道」の人が、カタクリの季節にここで突哨山や花の説明をしてくれているようです。

 気になっていたクマのことを聞くと、「モニターで熊を監視しています。昨年も熊が確認されたときは、山を一時閉鎖しました」とのことでした。安全に気を配ってくれているようでした。

カタクリの群落

 花案内人がいたところから少し下ったところに、カタクリの群落がありました。「カタクリルート」の中で最大の群落です。

 ただ、突哨山は自然のままの状態を残しているので、森の中はササなどの下草も多く、よくインターネット上などで見るカタクリ群落の景色とは違うような感じを受けました。

 カタクリがササの下に隠れたり、ササに負けて群落が形成できなかったりしているようです。

 どうやらネットなどで良く見る「突哨山のカタクリ群落」は、突哨山の先端(南端)に位置する「男山自然公園」のカタクリ群落のようです。

フクジュソウ

 それでも突哨山遊歩道の散策は素晴らしいです。ここは1990年にゴルフ場開発計画が持ち上がりましたが、「身近な自然を守ろう」と「突哨山と身近な自然を考える会」が発足。署名活動などの市民運動の結果、2000年に突哨山の多くの土地を旭川市と比布町が買い取って公有地化し、市民が自然を楽しめるようになりました。

キクザキイチゲ

 以降、様々な市民団体が大事に突哨山の自然を守り、自然を生かした活動をしてきているようです。そんな人々の頑張りもどこか感じられるような山でした。そして、カタクリの季節だけでなく、四季を通じて身近に自然に触れられる山だなと感じました。

ヒメイチゲ

ナニワズ

 突哨山は、カタクリルートだけでなく村上山公園口から入る「ぴぴの路」や、「扇の沢ルート」、「北尾根ルート」、「谷渡りルート」、「木もれびの路」といった名前の遊歩道があります。

 さて、次に同じ突哨山にある「男山自然公園」に行ってみましょう。

※→【札幌 公園緑地さんぽ】 旭川 突哨山(2) 男山自然公園 まるでおとぎの国のようです! 北海道最大級のカタクリ群落 |

突哨山マップ

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