清田区平岡のチェンバロ奏者、明楽みゆきさんが6月21日(木)、札幌市中央区中島公園内の豊平館で「チェンバロ演奏会&北前船の語り」を開催しました。

 チェンバロはピアノが発明される前の17世紀から18世紀にヨーロッパで人気があった鍵盤楽器です。バッハらが活躍したバロック音楽の時代は、このチェンバロという古楽器が活躍した時代でした。

 明楽さんは、日本では数少ないチェンバロ奏者の一人で、車にチェンバロを積んで、道内外に盛んに演奏旅行に出かけています。北海道神宮、小樽住吉神社、京都・建仁寺、世界遺産の京都・天龍寺などでも演奏してきました。

 また、明楽さんの先祖は近江商人で、江戸時代から明治中ごろまで、大きな帆を持つ北前船で北海道と本州日本海側を往来し、物の運搬、人の往来、文化の伝達などに活躍したそうです。

 豊平館での演奏会は初めてで、約80人の市民がシャンデリアのある会場の2階広間に詰めかけました。

 明楽さんは、古楽器チェンバロの説明と北前船の歴史と北海道のつながりなどのトークを交えながら、チェンバロでバロック音楽や日本の名曲などを演奏しました。

 休憩時間には、観客がチェンバロの前に集まり、明楽さんの説明を聴きながら珍しい楽器に見入っていました。

 明楽さんは2010年、自ら「現代版北前船プロジェクト」を立ち上げ、かつて北前船が寄稿した道内道外のまちでチェンバロ演奏会と北前船の話をする活動を続け、北海道と本州を結びつけ、地域おこしのたねまきをしています。

 かつて北前船が寄港したまちは約200カ所にも達するそうです。明楽さんの活動は今後も長く続きそうです。

 明楽さんは、エフエムしろいし(毎週金曜日14時放送)で「チェンバリスト明楽みゆきの浪漫紀行」のラジオパーソナリティーとしても活躍しています。

 このラジオ番組は、インターネットでも聴けるほか、かつて北前船が寄港した秋田、酒田、射水(富山県)、鯖江(福井県)、敦賀、舞鶴、萩などの都市のFMラジオでもオンエアーしているそうです。  

 チェンバロ演奏会が行われた豊平館は国指定重要文化財で、明治14年に北海道開拓使が西洋ホテルとして建てた建物です。最初は、今の札幌市中央区北1西1にありましたが、昭和33年に中島公園内の現在地に移築されました。平成23年までは市営結婚式場として利用されてきました。観覧は9時~17時の間、300円でできます。

 明楽みゆきさんは、自宅でピアノとチェンバロの個人レッスンやセミナーを開催しています。関心のある方は、ホームページ「明楽みゆきの音楽の森」より問い合わせてみてください。

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