札幌市清田区と北広島市の境を流れる大曲川。この清田区側は「東部緑地」と名付けられ、緑の樹木が生い茂る帯状の長大な緑地帯になっています。素晴らしい散策路が整備されていますが、東部緑地の存在は地元清田区民にもあまり知られていないようです。6月17日(水)、青空の下、初夏の東部緑地を散策してきました。

散策路南端の入り口=清田区里塚緑ヶ丘

 東部緑地は清田区里塚緑ヶ丘、清田区平岡公園東、厚別区上野幌にかけて厚別東通りにそって南北に伸びています。

一歩中に入ると別世界

 新しい美しい住宅が建ち並ぶ緑地南端の里塚緑ヶ丘から東部緑地に入りました。一歩中に入ると、緑深い山の中の別世界に迷い込んだかのような感じです。雑木林の中は一本の散策路があり、セミと野鳥のにぎやかな大合唱を聞きながらの散策です。

 しばらく歩くと、視界がやや広くなりますが、ここは大曲川が浸食した谷なので、見晴らしはよくありません。

大曲橋の下をくぐる

 ところどころにベンチが置いてあったり、東屋があったりするので、疲れたら休憩できます。子供向けの遊具は一切ありません。ここは自然を楽しむ緑地ということなのでしょう。

散策路の脇に咲いていたハクウンボクの花

 やがて大きな橋の下に出ました。上に架かる橋は、清田区平岡公園東と北広島市を結ぶ大曲通の大曲橋です。左手に上に上っていく階段状の道があります。ここを上ると、平岡緑中学校の前の厚別東通に出ます。

野鳥とも遭遇

 大曲橋の下を通って、少し進むと、散策路脇でハクウンボク(白雲木)の木が可憐な白い花を咲かせていました。この時期、平岡樹芸センター(清田区平岡4条3丁目)のハクウンボクは既に散っているので、東部緑地の中は街中よりも少し涼しいのかもしれません。

湿地帯に架かる木道

 やがて東屋があり、その横に東部緑地に生息する野鳥や生き物の説明板がありました。それによると、この緑地はコナラやミズナラ、ヤナギなどの木々が多くあり、ホタルやカエル、トンボなどの生き物、アカゲラなど多種類の野鳥などの楽園になっているそうです。

東屋

 東屋を出ると、あたりはミズバショーやスゲ類が繁茂する湿地帯となり、道は木道になります。

山道のようなところも

 やがて清田区と厚別区の境界標識が見えてきました。ここを通り過ぎると、厚別区上野幌です。そして散策路はちょっと急な山道になります。ちょっと息苦しくなりますが、山道を登ってまた降りると、大曲川の流れが見えてきます。ここまで散策してきて、川が見えたのは、ここだけでした。

大曲川の流れ

 ここから再び山道を登ると、東部緑地パークゴルフ場(厚別区上野幌)に出ます。大曲川沿いの散策路はここで終わりです。

 ここでUターンして、帰りは厚別東通りを歩き、途中から東部緑地に入って、出発地点の清田区里塚緑ヶ丘まで散策路を歩いて戻りました。所要時間は1時間半ほどでした。

東部緑地パークゴルフ場

 東部緑地について、札幌市は昭和50年(1975年)の「札幌市東部地域開発基本計画」で「大曲川沿いの急傾斜地の自然林は緑地として保存する」と決めました。

 それに基づき、札幌市は平成16年(2004年)、17年(2005年)に東部緑地として整備し、その後一部緑地を拡大延長し、今日に至っています。

 あまり知られていませんが、素晴らしい都市緑地です。

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