札幌市北区の自然豊かな篠路川散策路(北区東茨戸・篠路町篠路)を歩いてきました(2021年8月29日)。

両岸に散策路が整備されている篠路川

伏籠川緑地

 付近一帯の水郷茨戸の景色もすばらしい。大都市でありながら、のどかな自然があるのが札幌の魅力の一つだと思います。

手前の伏籠川に注ぐ創成川(左)と発寒川(右)

 伏籠川(ふしこ川)右岸に駐車場があったので、車を停めて散策を始めました。堤防は並木と散策路が付いていて、この辺りは伏籠川緑地と呼んでいるようです。

 目の前の伏籠川に、創成川と発寒川が並んで注ぎ込んでいます。この3つの川の合流する光景は初めて観ました。感慨深いですね。

 伏籠川は昔の豊平川です。昔、豊平川は今の伏籠川の流路を流れ、篠路で石狩川(今の茨戸川)に注いでいました。ところが、江戸時代後期の寛政年間に、豊平川は洪水で流路を東に変え、江別市対雁で石狩川に合流することになったといいます。残った川は、「古川」の意で「フシコ」(伏籠、伏古)と呼ぶようになったそうです。

 伏籠川右岸堤防の散策路を上流方向に歩きます。川面にカモの群れがいました。川も散策路もまっすぐ伸びています。散策路脇にはハマナスが植えられ、赤い実がなっていました。

篠路川散策路の入り口

 伏籠川に架かる茨戸中央橋と伏籠橋を過ぎて3つ目の橋、茨戸福移橋のたもとに中央バスのバス回転場があります。その横に篠路川散策路の起点があり、ここにも駐車場がありました。

 さあ、ここから篠路川散策路です。篠路川は昔の蛇行した川の名残で、江戸末期~明治の初め頃は、人や物を運ぶ役割を果たしたそうです。

 ただ、伏籠川とはつながっているようには見えませんでした。水の流れもなく、篠路川はまるで細長い沼のようです。

 ここから篠路川は、蛇行しながらホテル&リゾートスパ「ガトー・キングダム・サッポロ」(昔は「札幌テルメ」がありました)前で茨戸川につながるまで3.3キロ続いています。

篠路川(赤い線で表示)

 両岸に散策路が整備されています。今回は左岸を歩きました。

茨戸メリー幼稚園の裏の森を行く散策路

 歩き始めてまもなく左側に茨戸メリー幼稚園の建物が見えてきました。その裏の森の中を散策路は続いて行きます。この付近の篠路川は周囲に木が生い茂り、原生自然のままの雰囲気があります。

 茨戸福移通を横断してさらに進むと、今度は広大な農場が広がってきました。その脇をぐるりと回りこむように散策路が続きます。

広々とした農村風景の中を行く。このすぐ右側に篠路川

散策路脇に咲いていたヒルガオ

 畑の横に続く散策路脇に白いヒルガオが咲いていました。のどかな風景です。

赤レンガ倉庫

 途中、赤いレンガ倉庫が一棟あり、目を引きます。篠路川の岸辺に、大きなシダレヤナギとともにたたずむ赤レンガ倉庫。風格を感じます。かつてタマネギ倉庫だったようですが、見ると今もきれいに手入れがされているように見えます。

ハナショウブ園がある広場

 この篠路川散策路を歩く人たちにとって、この赤レンガ倉庫は有名な建物のようです。倉庫は右岸にありますが、この場所には人道橋があり、両岸を行き来できます。そして、この場所は東屋などもあり、ちょっとした休憩スポットになっています。

エゾミソハギ

 さらに、先に進むと、ちょっとした広い場所に出ました。東屋があり、ハナショウブ園がある所です。しかし、花の見頃は7月上旬~下旬で、既に花は終わっていました。

 ただ、ピンク色のエゾミソハギの花が、にぎやかに咲いていました。

スイレン

 この付近から、ガトーキングダム付近までの篠路川岸辺を「篠路川 自然とふれあいの広場」と呼んでいるそうです。

コウホネ

 ここにも右岸に行く人道橋が架かっていました。ガトーキングダムをスタート地点にした場合、距離的にこの橋でUターンして反対側の散策路を戻るのもいいかもしれません。

 人道橋の上から篠路川を眺めると、スイレンの花が鮮やかに咲いていました。コウホネの黄色い花も水面に咲いています。

びっしりとヒシで覆われた篠路川の川面

 篠路川の川面は、ヒシが繁茂し、水面がすべてヒシで覆われている所が多くあります。川の流れは全くないので、まさに沼の様相です。

ガトー・キングダムが目の前に見えてきました

 ただ、ここは釣り人も良く来ます。釣り人に聞くと「ヘラブナやコイが釣れる」とのことです。釣り人たちが釣り糸を垂れているすぐ横で、カモの群れがたたずんでいたりします。

篠路川樋門

 やがて、ガトー・キングダム・サッポロ前に到着。篠路川が茨戸川に出る所に篠路川樋門があり、この付近で篠路川散策路は終点です。

 この樋門は、大雨で茨戸川の水位が上がったときに、門を閉めて篠路川に逆流しないようにする施設のようです。

 この先、茨戸川沿いにきれいな散策路が続きます。ここからの眺めは、まさに水郷茨戸という雰囲気があり、見事です。対岸の中州はパークゴルフ場になっています。

開放感いっぱいの茨戸川の景色

 茨戸川は、昔の石狩川です。昭和の初め、治水のために石狩川をまっすぐにする工事が行われ、取り残された三日月湖が茨戸川というわけです。その茨戸川に、伏籠川は注いでいます。

青いアーチの伏籠水管橋

 再び伏籠川緑地の駐車場まで戻ってきました。トータルで5キロくらい歩いたでしょうか。

 伏籠川緑地から見る青いアーチの伏籠水管橋がきれいで、ひときわ目を引きます。これは、豊平川から取水した工業用水を石狩湾新港地域まで送る施設だそうです。

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