東京五輪で日本野球代表チームを金メダルに導いた侍ジャパントップチーム前監督の稲葉篤紀さん(日本ハムファイターズゼネラルマネジャー)が1月13日(木)、札幌国際大学(札幌市清田区清田4条1丁目)で、同大学スポーツ人間学部の学生を相手に特別講演を行いました。

 稲葉さんは、会場の大講堂に集まった学生たちに拍手で迎えられて颯爽と登場。「チームマネジメント~金メダルへの道」と題して約1時間、東京五輪で念願の金メダルを獲得するまでの日本代表チームのチーム作りの苦労や工夫について、体験談を語りました。

 稲葉さんは、日本代表チームの理念として「結束力」を心掛けたといい、「良い選手を集めるのではなく、良いチームを作る」ことに専念したといいます。

 具体的には、選手やコーチ、さらには裏方やスタッフ、トレーナーらとのコミュニケーションに努めたといいます。

 代表チームの選手選考には苦労したそうです。ある時、試合でヤクルトスワローズの若い村上宗隆選手が先輩選手たちに盛んに声をかけているのを見て、「普通は大先輩の選手に20歳そこそこの選手はなかなか声をかけられない。でも、こういう選手こそ、侍ジャパンには必要」と思ったそうです。

 こうした稲葉流監督術が見事に金メダルにつながったのでしょう。金メダルに至る実体験に基づく話に、学生たちは吸い込まれるように聴き入っていました。

阿井英二郎教授(右)とトークセッション

 講演の後、同大学の阿井英二郎教授(元日本ハムヘッドコーチ、元ヤクルトスワローズ選手)とのトークセッションが行われ、さらに東京五輪のことや日本ハムファイターズのことなどを話しました。

 「新庄監督はどんな野球をやりますか」という問いに、稲葉さんは「分かりません。でも、どういうチームを作ってくれるか、楽しみです」と答えていました。

 最後に、学生たちに「挑戦、チャレンジの気持ちを持ち、信念をもってやっていってほしい。そうすれば必ず支えてくれる人や仲間もできる。そして感謝と恩返しの気持ちを忘れないで」と学生たちにエールを送りました。

 サプライズで、稲葉さんのサイン入りボールが学生2名に贈られました。

 トークセッションの後、学生からお礼の言葉と花束が稲葉さんに贈られました。そして最後に、全員で記念写真を撮りました。

 札幌国際大学スポーツ人間学部の学生は昨年、札幌で行われた東京オリンピック・マラソン競技で、延べ200名を超える学生がボランティアスタッフとして参加しました。今回の稲葉さんの特別講演は、オリンピックをテーマとする教育の締めくくりだそうです。

 卒業後、スポーツ関係の仕事に就く学生も多いようで、この日の稲葉さんの講演は、学生たちの心に深く残るものとなることでしょう。

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