江別市のノハナショウブ群生地(江別市東野幌935-5)に行ってきました(2023年6月26日)。ノハナショウブの花が見頃を迎え、5分咲きになっていました。
ノハナショウブは、園芸種のハナショウブ(花菖蒲)の原種で、湿地や湿り気のある明るい草地に生える多年草です。地元のハナショウブ保存会によると、自生するノハナショウブの群生地として、江別のここは日本一の規模だそうです。
場所は、畑や牧草地が広がる農村風景のど真ん中にあります。分かりづらい場所なので、車のナビを頼りに行きましたが、近くになると道路わきに群生地の場所を示す看板があったので助かりました。台数に限りはありますが、駐車スペースもあります。
ノハナショウブは、赤紫の花びらの基部に黄色いすじが入っているのが、特徴です。園芸種のハナショウブは白色、桃色、紫色、青色、黄色など色は多数ありますが、ノハナショウブの花は赤紫色だけです。
園芸種のハナショウブもいいですが、やはりの野原に自生するノハナショウブが咲く姿は感動ものです。
江別のノハナショウブ群生地は、周囲690mの長方形で、周回路が整備されています。そこを歩きながら、様々な方角からノハナショウブを鑑賞しました。
背景に防風林があったり、広々とした北海道らしい農村風景があったりして、群生地が一段と魅力的に映えます。
ここを管理しているノハナショウブ保存会の人が、群生地の中に入って開花しているノハナショウブの数を数えていました。この日は、1万9993本の花が開花していたそうで、5分咲きだそうです。
今年の開花のピークは、6月29日(木)、30日(金)頃になるとのことです。大体、6月下旬~7月上旬が毎年の開花時期です。
地元の人たちでつくるノハナショウブ保存会のパンフレットによると、昔の石狩平野は広大な湿地帯が広がっていたそうです。ノハナショウブはいたるところで咲いていたといいます。ところが、明治になって耕地化が進み、湿地帯が乾燥化してノハナショウブがどんどんと減少しました。
そこで、群生地を守ろうと地域の人たちが1990年頃から地権者の農家の許可を得て雑草狩りを始めました。
2008年、ノハナショウブ保存会を結成。雑草の除去、病害虫駆除など保護活動を本格化しました。2014年、群生地の土地が所有者から市に寄贈され、保存会が市から管理を委託され、今日に至っているそうです。
保護活動資金の不足分は、来場者からの募金で賄っています。
地域の人たちの熱心な保護活動で、日本一のハナショウブ群生地は守られています。
※追記(2023年7月3日)
江別市のノハナショウブ群生地に7月2日(日)、再び行ってきました。6月26日に行ったときは五分咲きでしたが、7月2日は満開をやや過ぎたところでした。以下、7月2日のノハナショウブ群生地の様子です。
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