清田区スポーツ講演会が11月23日(土)、清田区民センターで開催され、元陸上競技短距離選手の北風沙織さん(北翔大学陸上競技部監督)が、トップアスリートとして経験してきたことや学んだことを話しました。
この講演会は、清田区のスポーツ振興を図る清田区スポーツネットと清田区の主催で、平成22年(2010年)から毎年、開催しています。この日は、約70人の市民やスポーツ指導者が参加、北野中学校陸上部の部員も熱心に北風さんの話を聴きました。
北風さんは「日本のトップ―そして世界に行くために経験したこと」と題して1時間余り話をしました。
北風さんは釧路生まれで江別市育ち。小学生時代はバスケットボールクラブに所属していましたが、父親のすすめで陸上競技も小学4年生から始めました。
江別・大麻中3年生の時に全国中学女子100mで優勝、恵庭北高3年生の時にインターハイ、国体、日本ジュニアの100mで3冠を達成するなど活躍しました。浅井学園大学(現北翔大学)に進学し、在学中に当時の100m北海道記録を樹立しています。
2005年から10年間、日本代表として活躍し、2007年には世界陸上(400mリレー)に出場しました。しかし、その後、左足を疲労骨折し3度の手術を受けるなどの試練も経験しました。
現在は、マスターズ陸上世界一という目標を持ちつつ、子供たちに「走り方教室」を開催し、多くの人にスポーツの楽しさを伝え、北海道のスポーツ界を盛り上げる活動を展開しています。
北風さんは、こうした自身の競技生活を紹介しながら、
「子どものときはたくさんのスポーツに触れて楽しむことが大事。私も陸上、バスケットのほか水泳やスキーもやった」
「子供の頃、父親がコーチでしたが、『だめだ』と父から言われたことがない。『今の良かったよ』という言い方をしてくれた。言葉が大事だなと思う」
「疲労骨折して2、3年暗いトンネルの中だった。その時、母が『もうやめていいんだよ』と言ってくれた。私は肩の荷が下りた感じがした。そして、支えてくれている人がいるんだと思い、もう少し頑張ってみようと思った」と話しました。
復活した北風さんは、目標としていたロンドンオリンピック出場こそかないませんでしたが、2021年の東京オリンピックのマラソン競技(札幌開催)では、運営側として参画、オリンピックにもかかわることができたと話していました。
北風さんは6歳と1歳のお子さんのママさん。なお、「沙織」という名前は、両親が歌手の南沙織さんのファンだったことから名づけられたそうです。
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