日本一の巨大キャベツ「札幌大球」の収穫が、主産地の札幌市清田区有明と真栄の畑で行われています。平均で1個12~13キロ、大きなものは1個19キロにもなります。

 10月27日(火)、清田区有明の農家の畑で収穫の様子を見せてもらいました。JAさっぽろの男性職員が大勢、収穫の手伝いに来ていました。重くて作業が大変なので、手伝っているそうです。

 畑の中から収穫した札幌大球は、一つ一つ重さをはかっていましたが、持ち運びはなかなか大変そうでした。

 札幌大球は、札幌発祥の伝統野菜の一つです。北海道のキャベツは明治時代に北海道開拓使がアメリカから種子を導入したのが始まり。それを改良して大きくしたのが札幌大球です。

 戦前は冬の漬物用として重宝されたほか、遠洋漁業の漁船にも積み込まれたそうです。北海道の歴史の中で、冬の野菜不足、食糧不足を補った貴重な存在だったのでしょう。

 ピーク時は札幌とその周辺で約1000ヘクタールの作付けがあったそうですが、重くて収穫が大変なこともあり、近年は絶滅の危機にありました。

 JAさっぽろは、この札幌の伝統野菜を後世につなげようと2014年から清田区の農家で栽培を開始。今年は、清田区真栄と有明の農家4戸が栽培しました。作付け面積は全部で7反(7000㎡)ほどだそうです。

 収穫した札幌大球は、お好み焼きの「風月」や、ニシン漬けの会社などに引き取られるほか、ホクレン商事を通じてスーパーなどにも卸されるそうです。

 札幌大球を応援する市民グループ「札幌大球応援隊」という団体もあり、札幌大球オーナー制度や様々なイベントを開催するなどの活動をしています。詳しくは、札幌大球応援隊のホームページをご覧ください。

[広告]