コロナの感染拡大が止まりません。この第7波を乗り越えるにはどうしたらいいのでしょうか。清田区役所保健福祉部保健担当部長の松波由貴子医師に話を聴いてまとめてみました。
■コロナかなと思ったら

清田区役所保健福祉部の松波由貴子医師
誰がコロナになってもおかしくない事態です。熱がある、のどが痛いなどの症状が出て、「コロナかも」と思ったら、どうしたらいいのでしょうか。
松波先生は「発熱外来のある病院、クリニックで診断、検査してもらうことになります」といいます。
かかりつけ医のある人は、電話でそこに相談し、「うちでは無理」と言われたら、発熱外来のある病院、クリニックに電話して予約します。札幌市内の発熱外来のある病院、クリニックの一覧は札幌市のホームページに載っています。
ただ、コロナの急拡大で、発熱外来の予約は取りにくくなっています。予約が取れても、微熱の場合は検査をしてもらえないのが実態です。
「インターネットはやらないので、発熱外来リストを掲載している市のホームページを見ることができない」という人もいるでしょう。
その場合は、札幌市の「救急安心センターさっぽろ」に電話すると、相談に乗ってくれます。ネットをやる人でも、まず最初に、ここに電話して相談してもOKです。24時間対応してくれます。電話番号は「#7119」です。お住まいの近くの発熱外来の病院、クリニックも紹介してくれます。
■食料、生活必需品の備蓄を
コロナの感染拡大とともに、自宅療養の人が増えています。
松波先生は「自宅療養の人には、カップメンやトイレットペーパーなど生活必需品が市から届けられますが、現状では感染者の急増で、届くまでに数日かかっています。普段から数日分の食料、生活用品等を備蓄することをお勧めします」と言います。現に、清田区内でも「療養が終わるころにようやく届いた」などの声を聞きます。配送が追い付かないのです。

札幌市全体と清田区のコロナ陽性患者発生状況(2022年1月22日~7月30日、1週間ごと)
■ワクチン接種を
ワクチン接種は清田区民センターで行っています。ワクチン接種の医院のリストも市のホームページに公開されています。松波先生は「3回目を打っていない人は効き目がなくなってきています。打てる人は打った方がいいです」と言います。
さらに「4回目を打っても感染する人はいますが、症状は重くならない傾向があります。ワクチンの一番の狙いは重症化予防です。インフルエンザワクチンも重症化予防が一番の目的です」といいます。
■外出自粛しなくていいのですか
かつては、感染が拡大すると「不要不急の外出は控えて」「人流を抑えよう」と政府も地方自治体もさんざん呼びかけていました。今、過去最多の感染者数が出ているのに、さっぱりそういう声が出ません。外出等の自粛はしなくていいのでしょうか。
松波先生は「政府が外出制限しない方針なので、札幌市や道など地方自治体も、これまでのところ外出制限はしていませんでした。6波までのコロナ株ほど7波は重症化していないという事情もあるのかもしれません。ただ、このまま感染が拡大し、医療ひっ迫すれば、大阪など道外一部府県などで実施している高齢者ら重症化リスクの高い人への外出自粛要請を、札幌市と北海道も行う事態になるかもしれません」と言います。
また、陽性者の中にはホテル療養となる人もいますが、実は、観光に札幌に来てコロナ陽性になった人が、ホテル療養になっているケースが増えているそうです。本来は、「陽性になった観光者向け」の施設ではないはずですが。
■基本的感染対策を今一度
松波先生は「今、子供と高齢者の入院患者が増えている」と言い、改めて基本的な感染対策の徹底を呼び掛けています。
基本的感染対策とは、北海道のまとめによると、「三密回避」「人との距離確保」「マスク着用」「手指消毒」「換気の徹底」「飲食は、短時間、大声を出さず、会話時はマスク着用」「ワクチン接種を積極的に検討しよう」といったことです。これまでも大体やってきたことです。
ただ、マスクについては、人との距離がある屋外では、マスク着用はいらないそうです。ウオーキング、ランニング、鬼ごっこなどでは、マスク着用しなくていいようです。
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