地下鉄清田延伸に対する現状認識を秋元市長に質す恩村議員=札幌市議会ホームページより

 清田区選出の恩村健太郎市議(民主市民連合)は、2月18日(水)に開かれた令和8年札幌市議会第1回定例会で、民主市民連合の代表質問に立ち、清田区への地下鉄延伸に対する現状認識について秋元克広市長に見解を質(ただ)しました。

 答弁に立った秋元市長は、バスの減便・路線廃止が相次ぐ状況を指摘し、「市の公共交通の在り方に大きな変化が出ている」として、地下鉄清田延伸を念頭に「あらためて検討していく必要がある」と述べました。

 地下鉄清田延伸について従来、採算性の観点から否定的だった札幌市が、バス減便時代という状況の大きな変化に直面し発想の転換を図って地下鉄延伸に向けた調査をすることを表明したもので、これは画期的な市長答弁です。

 恩村議員は、札幌市政の諸課題全般について質問したのですが、ここでは「地下鉄東豊線の清田区への延伸」についての部分のみ、質疑応答の全文を紹介します。

■恩村健太郎議員

 清田区への地下鉄延伸に対する現状認識について伺います。

 清田区への地下鉄延伸については、豊平区、清田区の町内会連合会と民間事業者で構成されている地下鉄東豊線建設促進期成会連合会が本市に対して毎年、要望書を提出しております。

 しかしながら、路線バスによる輸送が困難なほどの需要がないことや事業採算性が確保できないということから実現されていません。

 近年は運転手不足による路線バスの減便や廃止が続いており、今後も市民生活の大事な足であるバスネットワークについては厳しい局面に至っているものと認識しています。

 現状において、路線バスがなくなった場合の移動は主に自家用車に頼らざるを得ません。

 しかし、人口減少下における除排雪の担い手不足や今冬の大雪による交通への影響などを見ると、自家用車を使っての移動環境も厳しくなることが想定されます。

 このような状況だからこそ、効率的に多くの人を運ぶことが可能な大量輸送機関である地下鉄が必要なものと考えます。

 2022年の国会の質疑において、地下鉄整備の際、整備後30年で累積黒字化が図られる必要があるという、いわゆる「30年基準」について、国土交通省から「必ずしも30年にはこだわらない」との答弁がありました。

 大都市でありながら降雪量の多い本市にとって、地下鉄網は非常に重要であり、今こそ考え方を変えるべき時期ではないでしょうか。

 今年1月の清田区新年交礼会では、秋元市長の挨拶で「市民の足をどのように守るかという視点で、地下鉄を含めた交通体系を考えていく」という発言があり、参加者一同、胸を熱くしたところです。

 また、秋元市長3期目最後の本格編成となる2026年度の予算案に「持続可能な公共交通の在り方の検討」として調査費が計上されました。

 地下鉄は100年先のまちづくりを見据えた重要なインフラであり、近い将来には自動運転が可能になると考えられます。

 都市間競争において、これからも札幌市が魅力ある街であり続けるためにも清田区への地下鉄延伸は必須と考えており、拠点のまちづくりとも連動して、進めていただきたいと考えます。

 そこで質問ですが、清田区への地下鉄延伸に対する現状認識について伺います。

■秋元克広市長

答弁する秋元市長

 建設に多大な費用を要する地下鉄延伸には、事業採算性の確保が不可欠であり、清田方面への延伸については、地域交流拠点への機能集約を図りつつ、土地利用や人口の動向等による需要の変化を見定めている状況であります。

 一方で、人口減少や運転手不足による路線バスの減便、廃止などの公共交通を取り巻く環境が大きく変化していることから、地下鉄を含めた公共交通の在り方を改めて検討する必要があるものと認識しております。

 このため、まず令和8年度に全市的な公共交通体系の現状と課題の整理を行うこととしたところであります。

■恩村健太郎議員

地下鉄延伸について再質問する恩村議員

 清田区への地下鉄延伸に対する現状認識について再質問いたします。

 秋元市長はこれまでも地下鉄延伸については「清田区民と同じ想い」をお持ちになられていると発言されてきました。

 今回、全市的な公共交通体系の現状と課題の整理を行うことや区民センター移転が着実に進んでいくことは素直に嬉しく思っているところです。

 しかし、清田区の議員として地域の方々と意見を交換する中、清田区の分区以前から地下鉄延伸が求められ続けていたことを考えると、今回の公共交通の現状と課題整理は遅すぎたと指摘せざるを得ません。

 先ほどの清田区の地域交流拠点の形成についての答弁では、区民センターの移転と民間との協力によって拠点形成を進めたい旨の答弁がありました。

 これまでも民間と連携して中心核の賑わいづくりは行われてきていますが、やはり拠点形成を進めるうえでも地下鉄延伸と両輪で進める必要があると考えます。

 行政としてこれからの清田区をどうしていくのか、まちづくりのビジョンや計画がなければ民間投資や再開発を誘導することも厳しいのではないでしょうか。

 また、今冬の積雪時の交通障害を見れば、清田区のみにとどまらず全市的に地下鉄網を拡充することや隣接都市との連携なども視野に入れるような計画があってもいいのではないかと感じています。

 人口減少や財政的な課題など実現に向けてハードルが高いことは承知しています。だからこそ、その高いハードルを打破するために首長としてのリーダーシップを期待しています。

 そこで再度質問いたします。清田区への地下鉄延伸や拠点形成を実現するため、清田区のまちづくりに対する具体的なビジョンや計画を市としても持つ必要があると考えますが、市長の現時点における考え伺います。

■秋元克広市長

秋元市長

 清田区の拠点形成に向けてでありますが、地域の核を作っていくまちづくりに関しては、そこの土地利用の関係と、それから交通網を含めた色々な利便性、これらを両輪で考えていくことは必要だというふうに思います。

 そういった中で、これまでも清田区への地下鉄延伸については、構想として札幌市は持っております。

 これが実現してこなかったのは、やはりその建設費、これを賄うだけの採算性のところがクリアしていけなかったという状況があるからです。ですから、構想としてはありながらも、それを実現していくだけの現実的な答えになってこなかったという状況であります。

 この採算性の問題についての費用対効果の「効果」ということについて、従前のバス輸送だけでは輸送しきれない交通量、交通、いわゆる量ですね、こういった形が中心になって今までは議論されてきましたけれども、ここに今の、繰り返しになりますが、バス路線(の減便・廃止)との関係で申し上げると、状況が大きく変わってきた。

 こういった状況変化を踏まえて、そういった視点も踏まえた検討が必要だというふうに判断をして、今回、全市的な公共交通の在り方、市の根本的な交通機関の在り方ということに大きな変化が出ておりますので、この状況について改めて検討していく必要があるだろうと考えているところであります。

 まちづくりについては、ご指摘の通り、こういった交通面と、それから民間の土地利用ということも非常に重要なことになりますので、市の計画を作っていくに当たっては、民間の投資意欲、こういったヒアリングをしていきながら計画を作っていく必要があるものと考えております。

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