札幌市議会令和8年度第1回定例会の本会議で、清田区選出の竹内孝代議員(公明党)と山田洋聡議員(自民党)の両氏が、里塚斎場再整備問題を取り上げ、札幌市の考えを質しました。

里塚霊園の円形広場
山本健晴副市長は、新しい斎場について「(市が提案した里塚霊園内の)円形芝生広場にこだわらず他の候補地も含めて調査・検討する」と答弁しました。さらに霊園内に新たに建設するとされる合葬墓についても「住宅地に近い当初案ではなく他の霊園敷地内に変更を検討する」と述べ、新里塚斎場と合葬墓の建設予定地変更の可能性に言及しました。
市がこうした考えに至らざるを得なかったのは、新里塚斎場と合葬墓を里塚霊園内に新たに建設する市の構想に地域住民が猛反発しているからです。
竹内議員、山田議員と札幌市の山本副市長との市議会本会議でのやり取りを掲載します。
■竹内孝代議員(2月19日、公明党代表質問)

竹内孝代議員
里塚斎場の再整備について伺います。
我が会派では、これまで高齢化の進展による多死社会の到来に伴う様々な課題について、火葬場における火葬件数増加に伴う混雑緩和のため「火葬場予約システムの導入」をはじめ、将来にわたる安定した火葬場運営に向けた取り組みについて議会で取り上げ、推進してきました。
札幌市には、現在、里塚斎場と山口斎場の2か所の火葬場がありますが、令和6年度の火葬件数は2万6400件を超え、どちらか一方では火葬を賄えないほどの件数となっています。
このような状況の中、里塚斎場は供用開始から40年以上経過して経年化が進んでおり、万が一、老朽化による故障で休止するような事態が起これば、長期間の火葬待ちが生じるなど、市民生活への影響は計り知れません。
このため札幌市では、令和3年度に「火葬場・墓地に関する運営計画」を策定し、里塚斎場の建て替え・改修手法について検討を進めており、昨年末に「里塚霊園内の円形芝生広場への建て替えが最適」とする再整備案を地域住民に説明する住民説明会がありました。
住民説明会は令和7年11月から計5回開催されました。参加された延べ160名の住民からは、現在の里塚斎場を開設した当時、反対意見が多い中で設置を受け入れる代わりに地域要望として提出した「清田区までの地下鉄延伸」を含む札幌市への要望事項がいまだ果たされていないといった不満の声や、斎場が住宅地に近接することへの厳しい意見が多く寄せられました。
説明会でのアンケートにおいても7割が円形芝生広場への建て替えに反対との回答だったと伺っております。
私の元にも地域住民から、住宅地に近づくことについての不安や反対の声が直接寄せられており、再整備に当たっては、住民の理解が不可欠であることから、寄せられた声をしっかりと反映していただきたいと求めてきたところです。
そこで質問ですが、里塚斎場の再整備について、これまでの住民説明会で寄せられた意見を踏まえて、今後、どのように進めていく考えか伺います。
■山本健晴副市長(竹内議員の質問に対する答弁)

答弁する山本健晴副市長
多死社会を迎えるに当たり、故人の最期を見送る火葬場の需要はますます増加することが想定されることから、老朽化が進んでいる里塚斎場の再整備は喫緊の課題であると認識しています。
先般実施した説明会では、(里塚霊園内にある)円形芝生広場での整備案に対して、(里塚霊園最奥にある現里塚斎場からかなり)住宅地に近づくことへの心理的な不安や環境面での懸念など、多くの厳しいご意見をいただいたところであり、非常に重く受け止めております。
このため、今後も、地域の皆様との対話を丁寧に行いながら、再整備後はもとより、工事期間中においても、静寂な環境やご遺族の利便性を確保できるよう留意しつつ、円形芝生広場以外の候補地も含めた施設整備の在り方について真摯に検討してまいります。
■山田洋聡議員(2月20日、自民党代表質問)

山田洋聡議員
令和16年(2034年)度には里塚斎場の火葬炉の更新が必要な状況と、建物もその頃には50年を超えることから、里塚斎場の再整備事業の検討が進められてきました。
当初、昭和50年代当時に里塚に斎場が整備された時の状況を知る方々を中心に、清田区里塚美しが丘地区では今回の再整備事業について反対が起きている状況であり、私のところにも相談や反対の意思を表明する声が寄せられております。
それを受け、昨年7月4日に担当課長と共に里塚斎場現地を訪れ、里塚霊園敷地内全域から斎場の施設内、そして建て替え候補地や(現斎場裏の)がけ地など関係するところや、示されていない他の候補地など様々な可能性を見出すことも含めて調査確認をしてきました。
現状、札幌市から示されている(里塚霊園内での)5つの建て替え案についても照らし合わせながら確認していく中で、そもそも(新斎場が現斎場と)同じ規模の建物である必要があるのか?という1つの可能性を示させていただきました。それは(現里塚斎場の)特別控室の利用率が50%程度であること、待合ロビーに人が少ない日があることから建物の面積を抑えられるかもしれないということです。
それを踏まえますと、火葬炉など設備を増やしたとしても実情に合わせた形に整理することで全体としては面積を小さくすることが可能であり、それによって建て替え候補地の選択肢が増えることと建設費用を抑えられることにもつながります。
実際に検討の余地があり提案をしておりましたが、約1690万円をかけて調査委託した結果の5つの案であり、これが最適であると判断したとして、その時点では再検討するつもりはないとの回答でありました。
実際にどのような調査委託をした結果なのか、検討業務の仕様書まで確認させていただきましたが、特に前提条件に議論の余地があると感じましたので、引き続き確認を進めてまいります。
また、現地確認の際にもう一つ気になったことは、「合葬墓」が里塚霊園の入り口近くに建設予定であるということです。
斎場再整備案への反対は、住宅地に近づくことが大きな要因であるのも関わらず、合葬墓の設置場所を再整備仮予定地よりも更に住宅地に近い場所に予定しているということです。
住民からの反対は、斎場再整備に集中している中で、こちらの方が後々問題になると危惧しており、こちらも提言をしておりました。
その後、昨年11月13日から12月2日までの間に5回の住民説明会が開催され、私も聴講しておりますが、当初の声の通りの反対が多い結果でありました。再整備予定地、進め方、そもそもの里塚に火葬場が造られた経緯など住民の納得を得られる状況では全くありませんでした。
このような住民の厳しい声と、我々議会の声を札幌市は重く受け止め、改めて候補地について再調査、再検討を実施し、その過程も踏まえて住民の皆さんに改めて説明をするべきと考えます。
そこで質問ですが、里塚斎場と合葬墓の設置場所について改めて詳細な調査を実施すべきと考えますが、札幌市の考えを伺います。
■山本健晴副市長(山田議員の質問に対する答弁)
昨年実施した住民説明会においては、様々なご意見をいただきましたが、その中には、里塚斎場について、心理的な不安や環境面での懸念などを理由に、住宅地から離れた場所に整備することを求める強い意見がありました。
円形芝生広場については、概要調査の結果を踏まえ、5つの候補地の中では最適と判断し、説明会でお示ししたところでありますが、地域の皆様からのご意見を真摯に受け止め、他の候補地も含めた整備可能性に関する詳細調査について検討してまいります。
また、合葬墓についても住宅地に近いことに対する反対意見が多く寄せられたことから、里塚霊園内における他の場所での整備に係る調査・検討を進めてまいります。
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