懐かしい昭和30年代の心象風景を描いた「野島理の世界~昭和のくらし絵画展」が7月9日(月)から7月15日(日)まで、里塚・美しが丘地区センター(札幌市清田区里塚2条5丁目1-1)で開催されています。

郷愁を誘う作品と野島さん

 野島理さんは清田区清田9条3丁目にお住まいの「昭和30年代情景画家」です。

 「昭和のくらし絵画展」では、アクリル絵の具を使って描いた作品44点を展示しています。

 賑やかだった商店街、懐かしい看板の数々、板葺の家並み、チャンバラやベーゴマに興じる子ども達、そこらじゅうにあった原っぱ、オート三輪やボンネットバスなどの懐かしい乗り物など、昭和30年代の懐かしい風景をモチーフにした作品が並んでいます。

 札幌の昔の市電なども描かれています。

 会場を訪れた人はみんな、思わず「懐かしい」と感想を漏らします。昭和30年代の東京下町を描いた映画「ALWAYS 3丁目の夕日」と同じ懐かしい世界です。

 野島さんは昭和34年、札幌市中央区山鼻の生まれ。北海道造形デザイン専門学校を卒業して商業美術の道に進みました。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターとして活躍しましたが、2002年から本格的に画家として活動を開始します。

 モチーフは、昭和30年代の人々の暮らしや町並み。東京の現代童画会の会員となり、東京を発表の場として意欲的に作品を描いてきました。

 2009年に札幌市中央区を離れ、緑多い清田区に移り住み、作品制作を続けています。これまで札幌中心部のギャラリーなどで個展を開催してきましたが、地元清田区での個展は今回が初めてです。

 今回、展示されている作品の中には、馬ソリに乗ってお嫁に行く花嫁さんが描かれている作品があります。

 「姉サは馬コでお嫁に行った」と島倉千代子さんが昭和30年に歌った「りんどう峠」(古賀政男作曲)の歌の世界のような懐かしい日本の農村風景が描かれています。

 きっと、昔は農村だった清田区でも、こんな嫁入りの光景があったのかもしれませんね。

馬ソリでお嫁入り

 明日は今日よりきっと良くなる。そんな昭和30年代の人々の営みが聞こえてきそうな作品群です。野島さんの世界は、懐かしさとあたたかさにあふれています。ぜひ、ご覧になってみてはいかがですか。

 今回の絵画展は、里塚・美しが丘地区センターが同館の開館10周年記念~清田がつながるイベント~の一つとして開催しているものです。

 会場は里塚・美しが丘地区センターの2階視聴覚室です。期間中、9時から20時まで見られます。最終日は17時終了。入場無料。問い合わせは同地区センター(TEL 011-888-5005)。

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