9月6日の地震で、札幌市清田区美しが丘5条9丁目の住宅街でも、地盤の沈下、家の傾きなどの深刻な被害が発生していることがわかりました。

住宅の地盤が沈下

 この地域は里塚霊園に隣接している住宅街で、霊園との間に窪地があり、住宅街の裏側は小さながけ地になっています。がけ地に向かって住宅の地盤が50センチほど沈下し、このため約10軒の住宅が裏のがけの方向に傾いています。

住宅10棟が傾いた美しが丘5条9丁目

 住宅は地面が沈下したために土台がむき出しになったり、家の地盤に大きな亀裂が走ったりしています。家の庭や敷地は地割れが走り、住民たちは地割れに雨水が入らないように、ブルーシートで地面を覆っています。

ブルーシートで地割れを覆い雨水の侵入を防ぐ

 建築して2年とか5年とか、新しい家が多いのですが、「傾きは今も徐々に進行している」と住民は心配そうに話しています。

 付近の道路も少しへこんでうねっているところがあります。

 札幌市は地震後、清田区里塚1条1丁目と2丁目地区、清田7条2丁目と3丁目地区の2カ所で住宅の危険判定調査を実施し、家の玄関に「危険」の赤紙、「要注意」の黄色の紙などを貼りました。

 しかし、この地区に危険判定調査に来ることはありませんでした。札幌市の対応に一貫性が感じられません。

 この付近では、2003年十勝沖地震の時も、同じような被害が発生したといいます。

 また、この付近の地下には、「三里東排水」というコンクリート製の暗渠(あんきょ=地下水路)が埋設されており、かつては三里川の支流が流れていました。この地域は、その谷を埋めて造成された宅地と思われます。

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