里塚中央町内会の里塚中央災害復興委員会(会長:盛田久夫里塚中央町内会会長)は9月5日、清田区長に地域復興のための要望書を提出しました。大きな地震被害が起きた里塚中央町内会の思いが詰まっています。

2018年10月5日

小角武嗣清田区長様

北海道胆振東部地震による被害地・里塚中央町内会の復興に関する要望書

里塚中央災害復興委員会(会長:盛田久夫里塚中央町内会会長)

 9月6日の震災以降、里塚地区の復興に向けて、地質調査やインフラ整備、住民への生活支援等様々な対策をしていただいております。心よりお礼申し上げます。

 里塚中央町内会では、一日でも早い復興を願いながら、住民の不安を少しでも取り除き、安心して生活できるよう微力ながら独自の活動を続けてまいりました。しかし、今もまだ道路や家屋に新たな亀裂が入ったり傾きが大きくなったりする状況が進んでおり、二次災害の不安が増している現状です。また、罹災証明が出された後の支援内容も、住民の現状や要望を満たすものとは言い難い状況です。応急仮設住宅入居条件の対象になれず、未だに住む家も確定できない住人もおります。また、今でも下水道の復旧がされていない地区もあります。北海道の冬を目前に控えた今、住民が安心して冬を迎えられるよう、迅速な対応を切に願い、以下の7点について要望致します。

(要望内容)

(1) 応急仮設住宅の入居条件が実態に合っていません。対象を「全壊」「半壊」に絞るのではなく、「一部損壊」等も含め、地震によって住めなくなった個々の実態・要望に沿って、緊急に提供してください。
 罹災証明では国の基準に沿って「一部損壊 」と診断された家屋も多くあります。しかし、同じ一部損壊でもそれぞれの家屋の状況は異なっております。「地盤沈下が続いており、二次被害が怖くて住めない」「傾きが大きくて住むのが困難」「体調不良になる」「市営住宅の高い階では高齢者は生活が困難」等個々の実態に即し、出来る限り要望に沿った提供をお願いします。

(2)家屋等の状況に応じて再調査と住民の意向に沿った罹災証明の発行をしてください。家屋の傾きだけでなく、地盤の状況、住むことができる状況か等も加味した判断をお願いします。
 罹災証明は家屋の傾きの大きさが判断基準の中心になっています。しかし、国の基準は満たしていないが、「家に住み続けることが困難」な住民も多くいます。地盤沈下、亀裂の拡大、家屋の傾きが今も進行しており、状況に応じた再調査を行ってください。罹災証明は、その後の支援内容に大きく関わってきます。できる限り住民の意向に沿った罹災証明の再発行、過去にさかのぼっての支援対象にするなど柔軟な対応をお願いします。

(3)地質調査をもとに、里塚地区をどのように復旧するのかという「地域災害復旧工程表」の提示と進捗状況の説明をしてください。
 今後の災害復旧工程について、住民は早い説明を望んでいます。地質調査の結果と今後の対策について、具体策を早めに提案してください。工事等の日程等については、あらかじめ里塚中央災害復興委員会に説明してください。また、新たな情報や取り組みについては、随時、住民に説明してください。

(4)里塚地区の復旧工事に際しては現場統括責任者を常駐させ、業者や住民との連絡調整をしてください。
  復旧工事に際しては、町内会へさまざまな問い合わせが殺到することが予想されます。住民からの問い合わせや、業者との連絡・調整が潤滑に行われるよう近くの場所に現場統括責任者を常駐させてください。

(5)冬期における住民の安全対策を急いでください。
  冬期間の除雪・排雪や灯油の給油はどうなるのか、事故が起こった時の緊急車両の出入りは可能だろうか等、不安は尽きません。各戸の不安や思いを集約し、この冬を安心・安全に過ごすための緊急な対策をお願いします。

(6)防犯・防災に対する対策を継続・強化してください。
  連日、警察官や消防団員、町内会役員や自主的なグループによる巡回パトロールが行われておりますが、盗難被害や不審者の出没が相次いでいます。この度の災害により、転居を余儀なくされた家庭は57戸に上っており、無人の家屋への浸入やいたずらがさらに増える恐れがあります。防犯カメラの設置や巡回に関わる必要品など要望に沿った提供をお願いします。

(7)次回の住民説明会は、札幌市長の出席のもとに行ってください。また、マスコミ関係の同席の許可を含め、対応についてお聞かせください。
  札幌市の責任者として住民の声を直接聞いていただきたく、市長の出席を切に要望致します。また、第1回説明会において、住民への説明とマスコミへの説明が違うという事実がありました。里塚地区の現状、住民の思い、札幌市や清田区の取り組みを正確に知ってもらい正確に報道していただきたく、マスコミの同席を含め、今後の情報管理の在り方等について説明をお願いします。

※以上の7点について、出来るだけ早い回答をお願い致します。