北海道胆振東部地震で大きな被害が出た清田区の里塚中央町内会(盛田久夫会長、330戸)は10月14日(日)、住民集会「里塚中央町内復興に向けた住民情報交流会」を里塚・美しが丘地区センター(清田区里塚2条5丁目)で初めて開催しました。

 同町内会内に10月4日発足した里塚中央災害復興委員会(会長:盛田久夫町内会長)主催で開催したもので、里塚1条1丁目、2丁目、3丁目の110世帯、120人が参加しました。

盛田久夫里塚中央町内会会長(中央)

 集会は、先の地震で亡くなった方への黙とうで始まりました。

 続いて、10月5日に清田区に提出し7項目の要望書について役員から説明があり、住民の意見表明に移りました。住民からは、これから冬を迎えるにあたって、様々な不安の声が上がりました。

 市営住宅やみなし仮設住宅について「市営住宅は来年3月まで、みなし仮設は2年間しか住めない。その後、どうなるのか不安だ」といった声が上がりました。

 冬を迎える不安も増しています。「家がだんだんと傾きが増している。これで雪が積もったらどうなるのか。一冬安心して過ごせるようにしてほしい」。

「市の人から『お宅の前の道路は地下が空洞になっているかもしれない』と言われた。家の前の道路は波うっている。これで除雪車は来るのか。除雪車が来たら来たで、家が傾くのではないか。冬に家が傾いた場合、避難所はあるのか」。

  除雪や排雪の不安は高まるばかりですが、まだ市から里塚中央町内会にはなんら具体的な話は来ていないそうです。

 損壊した住宅の解体費用についても不安が募ります。「国の激甚災害指定で国費で解体できるようになったが、その申請が10月15日から来年3月27日までと聞いた。もっと申請期間を長くしてほしい」

 住宅については、全壊、半壊、一部損壊で支援内容が大きく違ってくることから、その判定基準についても疑問の声が多く出ました。「全壊、半壊、一部損壊の基準を示してほしい」「判定は家の傾きが中心。土地は地割れしても判定基準には入っていないと聞いた。うちは2メートルも地盤が沈下した。土地の状況もプラスして判定してほしい」

 札幌市が地震後進めている地質調査については、「調査は道路や公園だけ。住宅が建つ私有地も調査してほしい。うちは敷地が1メートルも盛り上がり、土砂が流出した。地下がどうなっているのか不安だ」

 そもそも宅地造成を許可した札幌市への不信を表明する住民もいました。「自ら宅地造成を許可した土地に札幌市はもっと責任をもってもらいたい。市は『開発許可の手続きに問題はなかった』と言うが、施工に問題はなかったのか。市はもっと宅地に責任を持つべきではないのか」

 この日の集会で、盛田会長から改めて、市の応急危険度判定の家屋数が示されました。赤(危険)が約60戸、黄(要注意)が約40戸もあるそうです。そして57軒が避難しているとのことです。

 不在住宅が多いことから、同町内会は独自の夜間パトロールを実施していますが、新たに防犯カメラ4台を町内に設置することにしました。

 10月18日(木)には、2回目となる札幌市の里塚地区住民説明会が清田区体育館で行われます。9月13日に行った1回目の住民説明会は市側、区側の不十分な説明で住民の不満が爆発、紛糾する場面もたびたびありました。2回目は秋元札幌市長も出席する予定です。