懐かしい昭和の風景を描く画家、野島理さん(アトリエ:札幌市清田区清田9条3丁目9-10)が8月8日(木)から8月13日(火)まで、札幌駅北口の「石の蔵ぎゃらりぃ はやし」(札幌市北区北8条西1丁目)で個展「あのとき、そこにあった昭和」を開催しています。

もうすぐ日が暮れます

野島理さん

 野島さんは、昭和30年代の札幌や小樽、夕張などの街の風景と人々の暮らしをモチーフに、独特のタッチで昭和を描く画家です。

影法師

 アクリル絵の具を使った作品は、どれも懐かしさがこみ上げてくる作品ばかりです。

 今回、展示しているのは2018年と2019年に描いた新作30点。

 商店街の絵からは人々のざわめきが聞こえてきそうです。

 子供たちの様子もふんだんに描かれています。板塀の家並みの道端で、子供たちがおしくらまんじゅうやチャンバラなど様々な遊びを繰り広げています。

路地からバス通りを見る

 月光仮面ごっこをしている子供の姿もあります。道路で遊ぶ子供たちの歓声が聞こえてきそうな作品がたくさん展示されています。

 懐かしい車や昔の国鉄バス、ラッセル車なども描かれています。

 「昭和30年代情景画家」を名乗る野島さんは、昭和30年代をモチーフにしていますが、作品は必ずしも写実ではなく、独特な筆さばきでイメージを膨らませた作品が特徴です。

父さんが車を買った日

 ギャラリーに一歩入ると、そこはもう「どこにでもあった昭和30年代のあの光景」があります。

月光仮面対どくろ団

 野島さんは「昭和30年代は、今より暮らしは大変で不便だったかもしれないけど、みんな瞳が輝いていた時代、心が豊かな時代、生きる力が満ち溢れていた時代だったような気がします。そんな昭和30年代が好きで描いています」と言います。

 野島さんの作品を見ていると、昭和30年代は、生活が今より不便だったけど、人のつながりや地域のぬくもりが確かにあったなあと改めて感じさせられます。

 昭和30年代は、日本が戦後復興を終え高度経済成長に向かった時代でした。白黒テレビが普及し、芸能界やプロ野球、大相撲、プロレスなどで新しい大衆ヒーローが次々と誕生しました。

自転車屋と洗濯屋

原野と国鉄バス

海水浴へ行く家族

 清田区では、ようやく宅地開発が始まりましたが、まだほとんどが農村地帯でした。

遊びの天才

 野島さんは昭和34年、札幌市中央区山鼻の生まれ。札幌のデザイン専門学校でグラフィックデザインを学び、グラフィックデザイナー、イラストレーターの仕事に就きました。

 2002年に画家として活動を開始し、昭和30年代の暮らしや街並みを描き始めました。そして2009年に札幌市中央区を離れ緑濃い清田区に移り住んで作品制作を続けています。

 個展の開催時間は11時~19時。最終日の13日は17時まで。入場無料。

 野島さんの連絡先は、TEL 090-9435-6407です。

[広告]