2018年9月6日の北海道胆振東部地震から1年。液状化による宅地崩壊、住宅損壊の大きな被害が発生した清田区里塚地区で9月8日(日)、里塚中央早期復旧を願う集い「明日に向かって がんばるべぇ さとづか」が開催されました。

復旧を願って演奏する平岡中学校スクールバンド

開会式で挨拶する盛田久夫町内会長
里塚中央町内会(盛田久夫会長、330世帯)などでつくる実行委員会が主催しました。

里塚を元気づける札幌市消防音楽隊の演奏
里塚1条1丁目、2丁目では地震による液状化で、大掛かりな宅地崩壊、住宅損壊、傾きなどが発生しました。
1年たってまだ傾いたままの家屋もありますが、解体撤去されて更地も増えました。里塚中央町内会では今も約60世帯が避難したままだといいます。
今年6月からは、札幌市による道路と宅地の地盤強化工事が行われています。着実に復旧に向けた動きが進んでいますが、まだまだ道半ばという状況です。
地震から1年たった今、改めて早期復旧と地域コミュニティーの回復を願って、今回の復興イベントを企画したそうです。
会場は、里塚中央町内会館(里塚1条1丁目)前の広場と道路、周辺の空き地です。

会場のすぐ横には傾いたままの家も
開会セレモニーと吹奏楽演奏が行われた場所は、1年前、最も地盤沈下が激しく、住宅が大きく傾いた場所でした。今は、傾いた家を撤去し、沈下した地盤や道路を埋めて整地してあります。すぐ近くには今も傾いたままの家があります。
セレモニーで、盛田町内会長、小角清田区長、岩本参院議員がそれぞれ1年前のことを振り返りつつ、復興への願いと決意を述べました。
盛田会長は、これまで復旧に努めてくれた行政や工事業者、関係機関に改めて感謝を述べていました。

うどんとハヤシライスの応援販売
続いて、札幌市消防音楽隊が「虹と雪のバラード」「見上げてごらん夜の星を」「上を向いて歩こう」など、復興を願う演奏を行いました。
この日は、里塚地区を校区とする平岡中学校のスクールバンドも出演。72名の部員たちが「ふるさと」などを演奏し、地域を励ましてくれました。
会館前の広場では、焼き鳥、おでん、フランクフルト、ビール等を町内会の人たちが販売する模擬店テントが並びました。
1年前の震災直後、炊き出しに来てくれた京極町の「名水うどん野々傘」と、札幌市中央区南3条西9丁目のハヤシライス専門店「フェルム・ソレイユ」が、それぞれうどんとハヤシライスを1杯100円で提供しました。
また、ヨーヨーつりやスーパーボールすくいなど子供会縁日や野菜販売なども行われました。
会場の一角では、地域の人が飼っているアイガモ6羽を囲いに入れて披露。愛らしい姿に子供たちは大喜びで、ほほえましい光景でした。
里塚中央町内会は、毎年、町内会館前の里塚中央ぽぷら公園で夏祭りを開催しますが、今年は復旧工事のため公園が使えず、夏祭りはできませんでした。
毎年夏祭りを楽しみにしている子供たちや地域の人たちのために、復旧イベント「明日に向かって」は夏祭り要素を取り入れた形にしたようです。
テーブル席では、家族連れや町内会の人たちがおいしいものを食べたり、ビールを飲んだりしていました。里塚を離れて避難生活を続けている人も姿を見せ、地域の人たちと交流しました。

南京玉すだれも登場。みんな復旧を願った
余興の演芸として、南京玉すだれなども披露され、会場を盛り上げていました。
それにしても、復旧と地域コミュニティー復活にかけて、ここまでやってきた里塚中央町内会の頑張りはすごいと思います。町内会の底力を感じます。
会場には、町内会や地域の人だけでなく、工事関係者や札幌市と清田区の職員、市議、道議ら復旧にかかわった多くの関係者も参加しました。復旧復興に向けて、地域と関係者が心を一つにした復旧イベントでした。がんばるべぇ、さとづか。
[広告]