長年、地域の歌声サークル「みんなで元気に歌おう会」を指導してきた小山内國行さんが11月20日(水)の例会を最後に、仲間に惜しまれながら高齢を理由に引退しました。

ギターで伴奏する小山内國行さん

 小山内さんは元小学校の校長先生で、空知地方の小学校の先生を長く務めました。退職後、平成13年(2001年)に札幌市清田区美しが丘に居を構えてから、この地域で歌声サークルを発足させ、活動をしてきました。

 「みんなで元気に歌おう会」は今年も4月から11月まで毎月2回、里塚・美しが丘地区センター(清田区里塚2条5丁目)に仲間が集まり、毎回、小山内さんの指導で懐かしい唱歌や懐メロ歌謡曲を元気に歌い、会員同士の交流を続けてきました。

 小山内さんは毎回、歌う曲の解説をし、アコーディオンやギターで伴奏を行いました。

 会員は70名ほど。「親の介護や自分の病気などさまざまな悩みを抱えながらも、歌おう会に来て、おなかの底から大きな声で歌っていると元気になるんです」とよく小山内さんは言っていました。

 11月20日の例会では、小山内さんのギター、立石功さんのアコーディオン伴奏で懐かしい唱歌をみんなで合唱したり、立石さんがアコーディオンで演奏する美空ひばりメドレーを聴いたり、とても和やかな雰囲気の中で楽しい時間を過ごしました。

 橋本竹仙さん、笠井登鳳さんの尺八、三味線による民謡の披露もありました。

 歌おう会終了後は、同じ会場でお弁当を食べながら、みんなで小山内さんに感謝し、交流を深めました。

 小山内さんは「長い間、音楽を通じての交流をさせていただき、心からお礼申し上げます。いつのまにか十数年の歳月が流れました。皆さんに元気を与えようと始めた活動なのに、逆に私の方が皆さんから活力を与えられている今日このごろです。人間は引き際が大切です。新たな出発ができる体制ができつつあり、心から嬉しく感じています」と挨拶しました。

 来年も4月から「歌おう会」は行います。今年も参加しているピアニストの伊東美枝子さんらが歌の指導や伴奏を受け継ぐ予定です。

 里塚・美しが丘地区センターには毎年、JICA北海道の招きで、アジアやアフリカ諸国から視察団が訪れます。道内の農業施設や行政機関の視察などハードスケジュールの中で、唯一、視察団が地域住民と交流するのが、里塚・美しが丘地区センターでの交流会です。

 この交流会の企画を毎回行ってきたのが小山内さんです。そして「歌おう会」の会員50名ほどが毎回、日本の歌や踊りを披露し、視察団が民族舞踊などを披露するなどの草の根国際交流を続けてきました。

「みんなで元気に歌おう会」の皆さん

 小山内さんは、地域に残っていた「里塚小唄」の保存普及活動なども行っていました。音楽の力で地域おこしを続けてきた小山内さん、本当にお疲れさまでした。

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