北海道新聞は3月16日夕刊「今日の話題」で、「天に唾する」という記事を掲載しましたが、その内容には驚きと疑問を感じました。
この記事は、休校と外出自粛要請、緊急事態宣言を先手先手で発した鈴木直道北海道知事を強く批判したコラム記事です。
改正新型インフルエンザ等対策特別措置法で発動できるようになった首相の緊急事態宣言について、鈴木知事が3月5日にウェブで参加した全国知事会において「私権制限は最小限に」と注文を付けたことを、道新記事は「天に唾する」行為として批判したのです。
「天に唾する」とは「人に害を与えようとして、かえって自分がひどい目に合うことのたとえ」です。道新さんによると、鈴木知事は「天に唾する」人物ということのようですが、「天に唾する」という言葉遣いに違和感を覚えます。
そして、記事には鈴木知事批判の言葉がこれでもかと並びます。
「道内は既に、善後策のない知事要請で、ひとり親世帯の減収や飲食店の休業といった打撃をこうむっている」
「科学的な根拠もないまま休校と外出自粛を要請した反省は見えない」
「独善的な決断は危うい」
「リーダーは思慮深さも求められる」
強い批判の言葉に異様さを感じます。「ひとり親世帯の減収や飲食店の休業」は、「善後策のない知事要請」で発生したのでしょうか。一番の原因は、新型コロナウイルスであることは明白ではありませんか。何でもかんでも知事のせいにするのは、こじつけが過ぎませんか。
「科学的な根拠もないまま休校と外出自粛を要請した反省は見えない」と言いますが、どうして知事が反省しなければいけないのでしょうか。休校と外出自粛要請はそんなにいけないことなのですか。
そして、知事の一連の対策を「独善的な決断」と思っている道民は、一体どれだけいるのでしょうか。
知事の緊急事態宣言、外出自粛要請がなければ、もっと感染者数が増えていたかもしれません。むしろ一連の決断でなんとか感染拡大が踏みとどまっていると感じている道民が多いのではないでしょうか。
行政がやっていることをチェックし、ただすことは新聞の大きな役割の一つだと思いますが、私たちが今、戦うべき相手は北海道知事ではなく、ウイルスだと思います。
鈴木知事は3月9日の記者会見で「早期に終息させることが、結果として早期の経済再生にもつながる」と述べています。その通りだと思います。早くウイルスを鎮めることが、今、最優先の課題だと思います。
山中伸弥教授(京都大学iPS細胞研究所所長、ノーベル生理学・医学賞受賞)が3月11日、「X JAPAN」のYOSHIKIさんとニコニコチャンネル「YOSHIKI CHANNEL」で対談し、次のように発言しています。
「人類とウイルスの戦い。楽観視はできないので、最初は怖がりすぎるくらいがいいのでは」
「人類が初めて経験するものだからエビデンス(科学的根拠)が無くて当然」
「今は大袈裟なくらいの対策をして、エビデンスが集積してから少しずつ緩めればよい」
「リーダーたちはエビデンスも無い中で、苦しい判断を迫られている。批判も出てくるが、今は我慢をするべきだ」
鈴木知事もエビデンスがない中で、感染者急増の緊急事態に直面し、一連の対策を打ち出したのだろうと思います。リーダーとして孤独で苦しい判断だったと思います。
確かに批判もあるでしょうが、世間一般では「英断」「鈴木知事はよくやっている」と評価されているのではないでしょうか。
北海道新聞が「鈴木知事のやっていることはケシカラン」というのであれば、ぜひ対案を提示していただきたいと思います。それなくして、このコロナ禍の中、ただ批判ばかりでは道民の共感は得られないのではないかと思います。
目下、道民の多くは、危機感をもって我慢しながら頑張っているところだと思います。まだ先が見えませんが、北海道がワンチームになって、新型コロナウイルスの終息を目指していきたいですね。
「ひろまある清田」は札幌市清田区の小さな地域メディアに過ぎませんが、私たちは以上のように考えます。
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