北海道新聞はきょう3月6日(金)の社会面トップで「知事の『宣言』 現場嘆く」という記事を大きく掲載しました。鈴木直道北海道知事が打ち出した緊急事態宣言や全校休校要請、週末の外出自粛要請など一連の対策について、「実態見ず次々方針」「北海道の経済再生はもはや手遅れ」などと、まるで「暴走知事」であるかのような書き方です。
鈴木知事がやったことって、そんなにひどい事なんでしょうか。確かに、知事の方針には賛否があるかと思いますが、この記事には疑問を感じます。
記事では、小中学校の休校要請や分散登校の知事の方針について、「唐突な方針発表」と書き、「学校が個別に対応を決めるべきだ」との先生の発言を紹介しています。
確かに、「唐突」だったかもしれません。「学校が個別に対応を決める」のがいいに決まっています。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が、今、手を打たなければ「さらに深刻さを増す」というときに、先手を打って大きな方針を打ち出すのは政治の責任ではないでしょうか。
それを鈴木知事はやったんだと思います。違うでしょうか。
現に、鈴木知事はよくやっているという評価が世間一般には多いように感じられます。
北海道新聞によると、「道政相談センターに2月29日から3月3日に寄せられた外出自粛に関する約300件の意見のうち7割は肯定的」だったそうです。
一方、対策が後手後手の政府には批判が集まっているように思えます。
鈴木知事も一連の対策を打ち出さなかったら、「なにをモタモタしているのか」「対策が後手後手」と批判されていたでしょう。やっても批判され、やらなくても批判され。知事は大変ですね。
確かに、道新記事が指摘しているような副作用や弊害があるのは事実でしょう。不満も渦巻いているのでしょう。問題点があれば救済措置などの手当てをするのは当然です。
しかし、問題点だけをことさら抜き出し、知事批判一辺倒という記事は、今の北海道のコロナウイルス感染状況からみて、どうなのでしょうか。この記事は賛否両論併記になっていません。「肯定的な7割の意見」はどうして載せないのでしょうか。
正体不明で特効薬もない新型コロナウイルスを不気味に思っている道民は多いんです。道新さん、どうか分かってください。3月6日、ついに札幌ススキノのライブハウスの店員の感染も確認されました。
鈴木道知事は一連の方針を発表した際、次のように述べています。
「前例のないことなので、やりすぎではないかというご批判もあるかもしれませんが、政治判断は結果がすべてなので、結果責任は知事が負います」
こうした姿勢に、強い覚悟とリーダーシップ、決断力を感じた人は多いのではないでしょうか。
道新はこの日の別の記事で、「元道幹部」という匿名のコメントを紹介しています。
「知事が一番やりたいのは、コロナのピンチをパフォーマンスのチャンスにすること」
この匿名の「元道幹部」のコメントは、どこまで責任を持った発言なのでしょうか。知事が一番やりたいのは、感染拡大防止に決まっているじゃないですか。
もし「パフォーマンスのチャンス」と知事が思って一連の方針を打ち出したというのが本当なら、由々しき事態です。ぜひ、匿名の発言ではなく、事実に裏打ちされた記事として発表できるもんならしてください。
そして、鈴木知事のやり方がいけないというなら、それに代わる方策を北海道新聞は書いてほしいものです。
私たちは北海道新聞の社説にも疑問を感じ、コメントしています。こちらをご覧ください。
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