新型コロナウイルス感染拡大で、マスク不足が深刻です。札幌市清田区内のドラッグストアでも、マスクの商品棚はいつ行っても空っぽです。政府と経済産業省は、なぜマスクが入手困難になっているのか、具体的に数字を挙げて、もっと詳細に説明してほしいですね。

 経済産業省のホームページを見てみました。こう書いてあります。

「マスクは、国内メーカーで24時間の生産体制を敷いており、供給は2月末に毎週1億枚を超えました。国内メーカーには増産を働きかけ、輸入も増やすことで、3月には月6億枚の供給確保を目指しています」

 毎週1億枚とか月6億枚とか、あまりに抽象的です。週1億枚、月6億枚のうち、国産と輸入品の比率はどうなっているのか、国産のマスクは何社のメーカーがどう生産しているのか、輸入品はどこの国からどれくらい入っているのか、中国からの輸入が極端に減っていることはないのか―等々もっと具体的に開示してくれないと、国民は安心できません。

 政府と経済産業省のマスク供給の説明が信用できないのは「前科」があります。

 菅官房長官は2月12日、記者会見で「毎週1億枚以上のマスクを供給できるようになりました」と言い切りました。同様のことは同じ日、経済産業省もホームページで発表しました。

 しかし、2月12日に「毎週1億枚以上供給できるようになった」と言っていながら、いつのまにか「2月末に毎週1億枚」と変わってしまっているのです。なぜ、こうなったのかの説明は全くありません。

 時事通信によると、2月12日「1億枚以上供給できるようになった」と言った菅官房長官ですが、その後もマスク不足の状態が続いたために2月20日、「話が違うじゃないか。どうなっているんだ」と経済産業者の担当者を呼び、説明を求めたそうです。説明を求めたいのは国民の方です。

 日本経済新聞の報道によると、2018年度に国内で出荷されたマスクは55億枚で、そのうち7割が中国産、1割が他の外国産で、国内産は2割しかないそうです。

 過度の中国依存になっていることが、今のマスク不足にはあるようです。日経の報道によると、中国企業に生産を委託している国内メーカーは「6月末まで日本には回せない」と中国企業から言われたそうです。新型コロナウイルスの感染防止に躍起の中国は、マスク不足のため、とても日本に輸出なんかできないというのでしょう。7割を依存する中国からの輸入が、中国の感染拡大でどうなっているのか、知りたいところです。

 中国ではアイフォンの工場までがマスク生産に乗り出したというニュースが先日ありました。そんな中国からの輸入に期待できるのでしょうか。

 日本経済新聞は、中国企業が日本製マスクを買い集めているという驚きの情報も伝えています。

 また、国は、マスクを生産する設備投資をするメーカーに補助金を支給する制度を創設、増産を図っていますが、この制度を活用したメーカーはたった3社にとどまっているのが実態です。これで本当に充分な供給ができるようになるのでしょうか。

 マスクの国内生産体制は一体、どうなっているのでしょうか。何社が生産していて、どのくらい生産できているのでしょうか。

 医療機関のマスク不足も深刻化しているようです。今後、マスクの供給は大丈夫なのでしょうか。疑問がたくさんあります。

 マスク不足について政府と経済産業省の丁寧な説明を聞きたいです。

 最後に一言。政府の専門家会議の皆さんが先日「ここ1、2週間が瀬戸際」と言いました。瀬戸際なのにマスクがないって、どうなってるんでしょう。

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