南幌町の三重(みえ)湖公園(南幌町南13線西3番地)に行き、湖畔や樹林の散策路を歩いてきました。清田から車で40分ほどの静かな公園です。

湖畔の樹林の散策路

 三重湖は、夕張川そばにある長方形の小さな湖です。近くに南幌リバーサイドゴルフ場があります。

 湖畔で釣りをしている人が2人いました。聞くと「コイを釣っている」とのことでした。

 湖面に向かって大きな望遠レンズのカメラを構えている人たちもいました。様々な水鳥が、この湖には来ているようです。

湖畔のキャンプ場

 ここはキャンプ場になっていて、テントを張ってキャンプに来ている人もいます。バンガローもありました。時間がすごくのんびりと過ぎていく感じの公園です。

湖面に咲くスイレンの花

 湖畔を歩いていると、湖面にスイレンの花が咲いていました。

 中州があり、樹林になっています。樹林の中には散策路があり、歩いて行くと、夏空の下でエゾニワトコの木が赤い実をつけていました。

エゾニワトコの赤い実

 湖畔には、三角屋根の管理棟「三重レークハウス」と、近くの農家がやっている農産物直売所「みのり」があります。ソフトクリームなども販売していました。

管理棟と直売所

 三重湖公園の隣に三重緑地公園という別の公園がありますが、2つの公園は一体のように見えます。緑地公園は夕張川河川敷に面していて、見渡す限り芝生の緑が続く開放感いっぱいの公園です。こちらもキャンプ場になっています。

三重緑地公園

 ところで、今は静かな三重湖ですが、この小さな湖には南幌町の歴史が深く刻まれています。

 歴史をひも解くと、三重湖という名称の由来は、明治の開拓期、このあたりに最初に入植し開拓したのが三重県人だったからだそうです。

 そして、三重湖は、大正9年(1920年)から昭和11年(1936年)まで行われた夕張川新水路(今の夕張川)の造成事業で、その堤防を築くために土を取った土取場だった所です。そして、そこに水が溜まってできた人造湖なんだそうです。

 昔の夕張川の下流域は、南幌町と長沼町の境を長々と蛇行しながら南下して千歳川に合流していました。ところが、毎年のように流域は洪水被害が発生していたそうです。

 そこで、今の三重湖のあるあたりから、夕張川の流れを西方に大きく切り替え、江別市の石狩川に直接結ぶ夕張川新水路を造ったというわけです。これが今の夕張川です。この大事業により、流域の洪水はなくなり、一帯は豊かな穀倉地帯に変貌を遂げたとのことです。

 三重緑地公園には、この治水事業を指揮した元石狩川治水事務所所長の保原元二の胸像と彰徳碑、治水感謝の碑が建っています。

 静かにたたずむ小さな湖にも、地域の大きな歴史が隠れているものですね。

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