清田区内では、夏の清田ふれあい区民祭りをはじめ各町内会の夏祭り・盆踊りが軒並み中止になっていますが、この傾向は秋以降も続く見通しです。9月、10月も主な清田区内の地域イベントは軒並み中止になっています。

夏祭りのない、夏

 新型コロナウイルスの感染が収束する見通しがまったくない中で、「このままでは年内どころか来年も地域の活動が止まってしまうのではないか」との心配の声が町内会連合会などから出ています。

 清田区内の町内会連合会では、5月、6月ごろは「とりあえず8月末までの活動はほぼ自粛しよう」ということで、夏祭り・盆踊りなどは軒並み中止となりました。そして「9月以降はコロナも収束して、再び活動を開始できるのでは」という期待もありましたが、そうはなりませんでした。

 新型コロナウイルスの感染はやむことがなく、このところ東京や大阪、愛知、福岡などをはじめ全国的に感染が急拡大してきました。これが、北海道、札幌に及んでくる可能性は否定できず、地域では再び感染への心配と警戒が高まっています。

秋以降のイベントも相次ぎ中止に

 こうしたことを反映して、9月以降も主な地域イベントは軒並み中止に追い込まれています。

 9月のイベントで中止になったのは以下の通りです。

 アンデルセングルメ祭り、ひらおか庭園コンサート、平岡ふれあい祭り、里・美町連秋祭り

 10月のイベントで中止になったのは以下の通りです。

 スポーツフェスタin白旗山、清田区少年少女なわとび大会、清田区民文化祭、清田区ふれあいコンサート、北野福祉祭り

 そのほか、秋以降も数多くの地域イベントが中止になると思われます。

 こうしたイベントだけでなく、子育てサロンなども春以降、ずうっと休止していたり、各地区ウオーキングも今年はまったく開催できない状況だったりしています。

 一人暮らし高齢者への声掛け・安否確認などの福まち活動も、感染防止のためなるべく接触を避けるということで従来のようにはできず、「孤独な暮らしのお年寄りもいる」「引きこもりになるお年寄りが心配」などの声が聞かれます。

 イベントや福まち活動などの地域活動は、ともすれば希薄になりがちな昨今の地域社会にあって、地域のつながりや絆を強め、安心して暮らせる地域社会をつくっていく大事な活動です。

 こうした地域活動が止まってしまう最大の要因は、新型コロナウイルスの感染防止のために、人が集まったり接触したりするのを避けなければならないからです。集まったり接触したりしたら「感染するのでは」と不安があるからです。不安がある以上、地域での活動はできません。

 経済を回すために営業自粛、外出自粛を解除したら、案の定、東京や大阪、愛知をはじめ全国で感染が再び急拡大してしまいました。

 国も道も札幌市も、基本的に感染防止策として営業自粛要請・外出自粛要請以外では「三密を避ける」「マスクをして、手洗い、消毒に努める」ということに尽きるようです。しかし、これだけでは感染拡大を防げないことが、このところの全国的な感染急拡大で明らかです。

 では、社会経済を回しながら感染を抑止するには、どうしたらいいのでしょうか。従来の営業自粛、外出自粛では、社会経済が回りません。飲食店や観光業などは倒産してしまいます。

 最近、注目されているのが「PCR検査を拡充して、市中にいる陽性者を発見し、陽性者を隔離・治療する一方、陰性者で社会経済活動を回す」という考え方です。

 確かに、これだと「感染するかも」という不安が極めて小さくなるので、今より安心して社会活動や経済活動に関われるようになるかもしれません。そして地域の活動も復活できるでしょう。お店に客も行くでしょう。観光にも行くでしょう。

 ここのPCR検査の拡充は、あの悲惨な感染爆発を起こした米国ニューヨーク州が行った対策の柱の一つで、ニューヨーク州は現に感染を急速に抑止しつつあります。

 東京都医師会の尾﨑治夫会長は7月30日(木)、「これ以上、国の無策の中、感染者が増えるのは我慢できない」と言って臨んだ記者会見で、「このまま休業をお願いするだけでは日本全体がどんどん感染の火だるまに陥っていく」とし、「都内でPCR検査施設を1400カ所(人口1万人に1カ所)設置する」方針を明らかにしました。3000床程度のコロナ専門病院の開設等を提言しています。

 人口1万人に1カ所という訳ですから、札幌市に当てはめると197カ所、清田区に11カ所のPCR検査施設を設置するということになります。

 全自動PCR検査機という便利な機械も国内メーカーによって開発され、販売開始になるそうです。検査のコストを下げ、労力も省けるといいます。

 北海道、札幌市でも、PCR検査拡充という方向に舵を切ることはできないでしょうか。

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