市営住宅里塚団地(札幌市清田区里塚1条4丁目5~8)で9月30日(水)、移動販売車による食料品販売を中心に、高齢者の健康相談や地域の人の交流促進を目指す「生活支援拠点」づくりの取り組みが行われました。
清田区社会福祉協議会が市住里塚団地自治会や、札幌市など関係機関と協力して実施したもので、50名の住民の方が訪れ、大人気でした。
この取り組みは、市営住宅の住民から「近くにスーパーがあるけど、荷物を持って坂道を歩くのが大変で買い物に困っている」などの声があり、清田区社会福祉協議会が乗り出して、企画したものです。
市営住宅里塚団地は5階建て14棟(494戸)からなり、エレベーターはありません。住民は高齢化が進んでいます。敷地は広く、スーパーまでの買い物ルートは坂道で、荷物を持ちながらの歩行は大変になっているといいます。
また、住民同士の交流も減少傾向にあり、隣近所とも疎遠になっている高齢者も多いそうで、安否を心配する声も上がっていました。
こうした地域の状況から、今回の取り組みは生まれました。
移動販売車は、スーパー「ダイイチ清田店」(清田2条3丁目)から来た「とくし丸」。
パンやお菓子、豆腐、乳製品、卵、麺類、米、果物、ドリンク類、缶詰などを満載した移動販売車が、会場の市住里塚団地集会所の駐車場に到着すると、待っていた住民が輪になって取り囲み、順番に買い物をしました。商品は次々と飛ぶように売れました。
集会所内は休憩所に充てられ、保健師や介護予防センター職員らによる血圧測定や健康相談、介護相談などがおこなわれたほか、地域住民が交流する「集いの場」になりました。
移動販売車の横では、地元の障がい者就労支援事業所「ベジタブル」(里塚2条6丁目)も出店、クッキーなどを販売しました。障がい者の社会参加の意味もある取り組みです。
また、会場入り口では、ボランティアの人たちが、訪れた人の検温や手指の消毒などを行うなど、コロナ対策にも気を使っていました。
移動販売車に集まってきた住民らは、お互いに声を掛け合うなど、あちこちで井戸端会議が行われていました。とてもいい雰囲気でした。単に買い物支援というだけでなく、地域のつながりづくりという点でも、この取り組みはすばらしいですね。
市営住宅敷地内におけるこのような取り組みは、札幌では初めてです。
清田区社会福祉協議会は、年内は10月21日(水)、11月18日(水)、12月16日(水)と毎月1回のペースで、この取り組みを今回と同じ場所で開催します。時間は各回とも10時45分~11時45分です。
来年以降は、回数をさらに増やして開催する予定です。
また、移動販売車はこの日、里塚団地の販売を終えた後、近くの美里町内会館の駐車場に移動し、ここでも食料品の移動販売を行いました。美里町内会が行ったもので、趣旨は同じく買い物支援と人のつながりづくりにあるようです。
美里町内会でも、この取り組みを月2回ほど開催していくそうです。
こうした取り組みが今、地域で求められているようです。
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