新型コロナウイルスの影響で苦境が続く観光バス業界ですが、札幌市清田区の札幌観光バス株式会社(清田区美しが丘1条9丁目)は、オンラインバスツアーや独自企画のバスツアー、YouTube公式チャンネルの開設など新しい取り組みに果敢に取り組んで、需要の掘り起こしに頑張っています。

国道36号線沿いにある札幌観光バス
■アイヌ文化拠点交流促進バス

車体にアイヌ文様の入ったバス
同社は10月1日、白老町の民族共生象徴空間「ウポポイ」と平取町の二風谷コタンを周遊するバスの運行を開始しました。乗車・降車は新千歳空港ですが、予約があれば札幌駅でも乗車・降車が可能です。
11月5日まで、月曜を除く毎日1便運行し、バスガイドが添乗し案内します。料金は札幌駅/新千歳空港―ウポポイ―二風谷コタン―新千歳空港/札幌駅が3000円。区間によっては途中乗車・降車も可能で、札幌駅/新千歳空港―ウポポイ―二風谷コタン、ウポポイー二風谷コタン―新千歳空港/札幌駅が2000円、ウポポイー二風谷コタン、二風谷コタンー新千歳空港/札幌駅が1000円。
この取り組みは、国のアイヌ政策推進交付金を活用した平取町からの委託事業で、運行するバス「セタプクサ」号の車体は、平取町の工芸家が提供した、アイヌ文様のデザインが施されています。
予約は電話で受け付けますが、二風谷コタンー新千歳空港/札幌駅を除き、空席があれば、当日乗車可能です。問合せは同社(TEL 011-206-0225)へ。
■道内初のオンラインバスツアー

オンラインバスツアー富良野美瑛編
同社は7月から、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使った道内初のオンラインバスツアーを始めています。これまでに、積丹コース、富良野・美瑛コース、平取コースを行いました。
これに続く第4弾は余市編で、募集を開始しました。余市編の開催日時は10月31日(土)10時~、11月12日(木)19時~、11月23日(月)10時~。詳しくはこちらをご覧ください。
オンラインバスツアーは、事前にバス運転手さんらが撮影してきた動画を自分たちで編集し、ツアー当日に配信し、映像に合わせてバスガイドが案内するというもの。中継で現地の方から直接話を聞いたり、質問できたりする取り組みも。目的地に着くまでの間、クイズがあったりして本物のバスツアーの雰囲気を味わえる演出もあります。バスガイドと会話ができる時間も設けており、全員が、最前席に座っているような感覚も味わえます。また、目的地のおいしい特産品などが事前に配達され、動画を見ながら楽しめる趣向。
参加者は、道内のほか東京などの道外、さらにアメリカなど海外からもあるそうです。
中にはドローンを駆使して空中撮影した映像も使っており、本物のバスツアーではありえない角度からの、オンラインバスツアーならではの見え方が楽しめます。運転手さんとガイドさんらが頑張っている様子がうかがえますね。
■独自の日帰りバスツアー
オンラインツアーだけでなく、リアルなバスツアーにも力を入れています。7月に「定山渓さくらんぼ狩りツアー」、8月には「積丹半島ぐるりツアー」を実施。9月以降は「富良野花畑鑑賞といちご狩り」、「千歳・長沼おいしいもの見つけ旅」を開催中です。
■YouTube公式チャンネルの開設

札幌観光バスのYouTube公式チャンネル

YouTubeでぶらり散歩
同社は今年6月、インターネット動画サイト「YouTube(ユーチューブ」に公式チャンネル「なまらさっかんさん」を開設しました。これも運転手さんとガイドさんたちの企画・編集で、「ガイドと行くぶらり散歩」(札幌ドーム編、白い恋人パーク編)などを発信しています。
■SNSで情報発信
ツイッターを4月に開設、情報発信を続けています。社員が撮影した北海道の美しい景色の写真などを配信中です。フェイスブックでも見ることが可能です。
■ドライブスルーレストラン&マルシェ

ドライブスルー&マルシェ=2020年6月
札幌観光バスの本社構内の特設会場で6月と7月1週目までの毎週金、土、日の計15日間、ドライブスルーとマルシェを行いました。札幌観光バスのグループ会社クールスターが行ったもので、本格厨房を搭載した大型キッチンバス「クルーズキッチン」を活用した取組でした。6月は毎週、異なるレストランが出店し、「クルーズキッチン」で調理した出来立てのヴィーガン料理、アイヌ料理、イタリアン、フレンチを提供しました。
札幌観光バスは、大型バス27 台、中型バス4台、小型バス3台の計34台を所有。コロナの影響で団体客が激減、前年比10%以下に売り上げが落ちた時もあったそうです。
最近は、一部で修学旅行なども入るようになり、少しは持ち直しているようですが、なお厳しい状況は続いています。
同社はバス会社ですが、単に観光客を運ぶだけでなく、自ら北海道の魅力ある観光コンテンツを開発していくという攻めの姿勢が感じられます。
様々な取り組みにチャレンジしている札幌観光バス。頑張ってほしいですね。
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