北海道と札幌市の日ごとのコロナ感染者数は、少し減少する気配も見えますが、依然と高いままです。特に、札幌市は全国的にも一つの市としては非常に多い感染者数です。

福岡市

 毎日毎日、テレビのニュース画面に、北海道が東京、大阪と並んで突出した感染者数が表示されるのを、不安に思いながら見ている道民、市民は多いと思います。

 北海道と札幌市が、道民、市民、飲食店に外出自粛や時短営業を要請し、一定の成果は出ている感じはします。しかし、自粛要請だけでは、いったん感染が収まって自粛解除しても、また感染が拡大したら自粛要請-という繰り返しになるのではと危惧します。

 北海道と札幌市は、外出自粛やマスク着用、三密回避などを道民、市民にお願いするだけでなく、もう一歩進んで、行政として踏み込んだ感染抑止対策をやってもらえないものでしょうか。

 例えば、福岡市は12月1日(火)、コロナの検査体制の強化策として、医療施設と介護施設(高齢者、障がい者)の従業者、及び感染が多発している地域の関係者を対象に、無料でPCR検査が受けられるようにする取り組みを始めると発表しました。

 12月中旬から予約を受け付け、2020年度中(2021年3月末まで)に1人3回まで受けられるといいます。医療施設と介護施設の従事者は福岡市内に11万1000人おり、全員が対象です。

 検査方法は、各施設で受検者が検査キットで唾液を採取し、検体を検査センターに送付し、結果判定を受けます。医師が関与しないので確定診断にはなりませんが、陽性判定が出た場合は、速やかに従来の検査による確定検査を行うことになります。

 コロナは無症状者からも感染するのが厄介です。病院や介護施設従事者が定期的に検査できる福岡市の取り組みは、無症状の医療・介護従事者の早期発見につながり、病院や介護施設でのクラスター発生を抑止する効果があるように思えます。

 検査拡充が、100%完全な対策というわけではないでしょうが、1歩も2歩も前進ではないでしょうか。

 札幌市では、病院や介護施設で大きなクラスターが発生しています。福岡市の取り組みは注目に値する気がします。

 福岡市は従来から、コロナの検査体制の強化を進めてきた自治体です。同市によると、「人口10万人あたりの検査累計件数」(10月20日時点)は、政令指定都市の中で最多の4064件。2位は北九州市の3945件。大阪市の2365件、札幌市の2095件を大きく上回っています。

 また福岡市は、検査対象者を国の基準の「濃厚接触者」より拡大し、職場や施設内で感染が疑われた場合は、同じフロア全員まで広げて検査しているといいます。

 福岡市では「無症状者を含めた早期発見が重要」との立場で、検査を拡充し感染拡大防止に努めているということです。福岡市でできるのですから、札幌市ができないはずはないと思います。福岡市も感染者が増えていますが、札幌市ほどではありません。

[広告]