今の新型コロナウイルスのように、大正時代に世界的に大流行した感染症「スペイン風邪」。当時、あしりべつ(今の清田区地域)でも多くの人が感染し、30余名の死亡者が出て、地域は大変な騒ぎになったといいます。
スペイン風邪は大正7年(1918年)から大正10年(1921年)にかけて世界的に大流行した感染症。当時の世界人口18億~19億人のうち、5億人が感染し、5000万人~1億人以上が死亡したと推定されています。
日本でも大流行し、当時の人口5500万人のうち2380万人が感染、39万人が死亡したといいます。
あしりべつでも、多くの人が感染し、30余名が死亡したと言われています。
厚別(あしりべつ)小学校(今の清田小学校)開講70周年記念祝賀協賛会が昭和46年(1971年)に発行した「郷土誌あしりべつ」には、次のような記述があります。
「大正7年、全国的にインフルエンザが流行し、あしりべつでもたくさんの人々が、このカゼ(スペインカゼ)のために高熱をだし、ねこんでしまいました。この時死んだ人が30余名もでて、たいへんなさわぎでした。あそこの家もここの家もお葬式といって、部落の人々は、わりあてをして手伝ったということです」
当時、あしりべつは豊平村のはずれにある農村で、人口は1000人もいなかったかもしれません。30余名の死亡者を出したということは、大変な不安と騒ぎだったと思われます。
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