市営住宅里塚団地(札幌市清田区里塚1条4丁目)で2020年9月から月1回のペースで始まった移動販売車による食料品販売。すっかり地域に定着し、今年1月からは月2回のペースになり、地域の人たちの声掛けや交流の場にもなっています。

地域を支える移動販売車=2020年9月30日、里塚団地

 この取り組みは、里塚団地でも高齢化が進み、「近くのスーパーに行くのに坂道を歩く。それが大変」との声があり、清田区社会福祉協議会が企画、準備して始ったものです。

 移動販売車は、スーパー「ダイイチ清田店」(清田2条3丁目)から来る「とくし丸」。おはぎ、総菜、肉、魚、牛乳、果物、調味料、パン、雑貨などを満載して里塚団地集会所前の駐車場にやって来ます。

 月1回のペースで始めましたが、好評のため今年1月からは月2回(第1、第3水曜日午前10時45分から1時間ほど)実施しています。

 毎回、販売移動車を囲んで地域の人が集まり、井戸端会議が復活したような感じになります。

 食料品の販売だけでなく、3月は電池交換や電球交換、軽量家具の移動など、ちょっとした困りごとのお手伝いも応じるそうです。

美里町内会では毎週、移動販売車がやって来ます=2021年3月10日、美里町内会館前

 この取り組みは、里塚団地近くの美里町内会にも波及。「わが町内会でも」と、里美町内会も、この移動販売による買い物支援を同時に始めました。美里町内会では2月から毎週実施する人気ぶりだそうです。

 美里町内会は約480世帯。65歳以上の高齢者が約300人いるといわれ、「スーパーが遠く、買い物に困っている人が多い」といいます。

 美里町内会では、毎週、町内会館前の広場(里塚2条4丁目)に移動販売車「とくし丸」がやって来ます。その後、町内を回って4回所で販売していくそうです。移動販売には町内会役員も付き添い、お手伝いしています。

 来場者からは「ここに来ると、みんなの顔が見られるし、会話も楽しい」との声が聞かれます。一人暮らしの高齢者の安否確認や見守りもできるといいます。

 地域のつながりが希薄になっている昨今ですが、移動販売車は、買い物支援にとどまらず地域のつながりを取り戻す場にもなっているようです。

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