札幌市の花はスズラン。そのスズラン群生地がある富丘西公園(札幌市手稲区富丘4条5丁目)に6月1日(火)、行って来ました。

可憐に咲く富丘西公園の野生のスズラン=2021年6月1日

 富丘西公園は高速道路の手稲インターを降りて、すぐのところにあります。周囲は住宅街ですが、この公園は自然林に覆われています。駐車場(11台)があるので車を停めて園内に入りました。

 駐車場脇に案内看板があり、「市内で最大規模の群生地」とあります。群生地は園内に入ってすぐのところです。

スズラン群生地

 群生地は木道が整備されていて、そこを歩きながら周辺を見渡すと、白いぽつぽつとした花があちこちで咲いています。葉の影に隠れるように控えめに咲く可憐なスズラン。可愛くてきれいです。「君影草」(キミカゲソウ)という優雅な異名もあるそうです。

白いぽつぽつがスズランの花

 一般に知られているスズランは、ヨーロッパ原産で観賞用・園芸種のドイツスズランです。富丘西公園のスズランは野生の自生種で、ドイツスズランより花は小型で、葉の下に隠れるように咲くのが特徴です。

 初めて見た自生種のスズラン。感激しました。

 野生のスズランは冷涼な気候を好むそうで、北海道にぴったりの花です。でも、最近はあまり見かけません。ちょっと寂しいですね。

 手稲区富丘地区の丘陵地はかつてスズランの名所として知られていたそうで、富丘西公園では当時からあった群生地を保存しているのだそうです。

 札幌市は昭和35年(1960年)、札幌市の花=スズラン、札幌市の木=ライラック、札幌市の鳥=カッコウと制定しました。札幌の人口が50万人を突破し、米国ポートランド市と姉妹都市の締結をしたのを契機に市民の投票で決めたそうです。

スズラン群生地以外は、このような森が占める

 当時は、札幌でも自生種のスズランがあちこちにあったのでしょう。その後、札幌は人口が急激に増え、宅地開発が進み、自生種のスズランはほとんど見かけなくなりました。

 富丘西公園のスズランは貴重ですね。毎年、地元の人たちがボランティアでこの群生地を守ってくれています。花は5月下旬から6月上旬に咲きます。

森の散策も最高です

 さて、スズランを鑑賞した後は、公園内の森の中を散策しました。周囲は住宅街なのに、一歩園内に入ると、まるで山の中の森に迷い込んだようです。スズラン以外にも、この公園の森は魅力的です。

 新緑に包まれた森の散策路を、木漏れ日の中、しばらく歩きました。

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