札幌市内の地価上昇率トップの清田区里塚2条6丁目

 先日(3月22日)国土交通省が発表した2022年1月1日時点の公示地価で、札幌10区のうち清田区の地価上昇率が1位となりました。30歳~45歳の子育て世代が「子育てなら清田区で」と考え、清田区の住宅需要が高まったことの反映と考えられます。

 札幌10区の住宅地の平均地価上昇率(前年比)は次の通りです。カッコ内は前年。清田区がトップとなっています。
■札幌10区平均地価上昇率
清田区 13.3%(4.1%)
手稲区 12.7%(5.6%)
東区  10.5%(4.5%)
白石区 9.9%(5.8%)
北区  9.7%(5.2%)
豊平区 9.0%(4.4%)
西区  8.7%(3.6%)
厚別区 8.1%(5.6%)
中央区 7.9%(4.0%)
南区  4.8%(0.6%)

 札幌市内の住宅地で最も上昇率が高かった地点も清田区里塚2条6丁目で、18.6%の上昇率でした。この辺りは、近くに緑が豊富な三里塚公園などがあり、清田区らしい閑静な住宅街となっています。

清田区の地域中心拠点の清田地区

 商業地の地価上昇率でも清田区は8.7%(前年2.4%)で、札幌10区の中でトップでした。清田区エリアの人気が高まっていることがうかがえます。

 今回の公示地価では、札幌近郊の北広島市、江別市、恵庭市、千歳市の地価も高い上昇率となりました。

 こうした傾向は、マンション需要などで地価が高騰している中央区などに比べて、安価な清田区や周辺の郊外に土地需要が高まっていることを示しているといえそうです。

 清田区は上昇率が10区の中でトップになりましたが、平均地価は10区の中で8番目の水準で、他区と比べて安価です。今回の各区の平均公示地価(1㎡当たり)は次の通りです。
■札幌10区平均地価(1㎡)
中央区 19万1600円
豊平区 11万6700円
西区  9万6600円
白石区 9万2600円
東区  8万8900円
厚別区 8万7800円
北区  7万5900円
清田区 6万1700円
手稲区 5万7600円
南区  4万4300円

 比較的、地価が安価なのも清田区人気の要因といえそうです。特に、家を持ち、子育てする世代に人気です。

 清田区の転入転出人口の統計を見てみると、15歳から29歳までの若年層は転入者よりも転出者が多いのですが、30歳~44歳の子育て世代および14歳以下の子供たちは、転入者が転出者を上回っています。

 以下は清田区の転入者と転出者の年代層別動向を示す札幌市の資料です(令和2年)。
■清田区の転入者・転出者
                     転入/転出
0歳~14歳   644人/369人
15歳~19歳 165人/277人
20歳~24歳 534人/973人
25歳~29歳 554人/672人
30歳~34歳 506人/429人
35歳~39歳 403人/360人
40歳~44歳 258人/244人

 学校を卒業して働きだすと、地下鉄もJRもない清田区を離れる若者が多くいる半面、子育て世代は清田区に家を求めて転入してくる人が多いことが、このデータから分かります。

清田区人気を取り上げたSTVテレビニュース

 清田区は交通の不便さはあるものの、緑豊かな住環境があり、子育てには最も適した区であるとの認識が広まっていると思われます。

 実際、近年、清田区内では、高齢者世帯がいなくなった後の家に、30代の子育て世代が他区などから転入してきて入居するケースが目立って増えています。

 これで地下鉄東豊線が清田区まで延伸されれば、清田区はかなり住みやすい街として発展し、人口も増えることは確実です。

 清田区の地価上昇について、STVテレビは3月22日、「札幌10区で地価上昇率ナンバー1は清田区だ!地下鉄も駅もないのにいったいナゼ?」と、清田区人気の高まりを分析、報道しました。

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