札幌市北区の「新川さくら並木」の満開の桜を見ながら、新川の堤防を散策してきました。(2022年4月27日)。

満開の新川さくら並木=2022年4月27日
新川さくら並木は、新川通と交差する宮の森北24条通の「新川上の橋」(スーパー「ダイイチ」が目印)から新川(琴似川)の右岸沿い下流方向に10.5㎞続く桜並木です(北区7.5㎞、手稲区3㎞)。
エゾヤマザクラとソメイヨシノが1100本あるといわれ、北海道一の直線の桜並木として知られています。ただし、札幌新道より先の下流方面は海風のせいか、並木も途切れがちになってしまいます。
最もきれいで見ごたえあるのは、「新川上の橋」から札沼線(学園都市線)手前の「新川橋」までの1㎞区間です。
「新川上の橋」から散策開始です。多くの人が花見に来ていました。犬の散歩をしながら花を観賞する人もいます。ここはベンチなどないので、みんな「歩き花見」です。
並木はエゾヤマザクラが多いですが、ところどころにソメイヨシノもあり、見事な咲きっぷりを見せてくれています。
札幌の桜といえば、エゾヤマザクラが主流ですが、ソメイヨシノは花にボリュウームがあり、圧巻です。本州の桜の主流はソメイヨシノで、桜の女王という感じがします。
散策の途中、新川に目を落とすと、カモたちもいて、癒されます。
堤防に腰を下ろして、桜の花の下でおにぎりを食べました。ささやかなお花見です。
ところで、この新川通沿いの川は、琴似発寒川との合流点までは琴似川と呼び、それより下流は新川というそうです。新川さくら並木の堤防を歩いていて、川の表示が「琴似川」になっているので、「あれっ、新川でないの」とびっくりしました。
この川は、明治20年(1887年)頃、洪水防止と水運のために造られた一直線の人工河川です。札幌市民も地元住民も直線部分全体を「新川」と呼んでいるのではないでしょうか。
さて、札沼線を過ぎたあたりでUターンし、再び新川右岸の桜並木を歩いて戻りました。ところどころで桜並木は桜のトンネルになり、見事な景色に感激です。
一方、新川(琴似川)の左岸の西区側にも桜並木はあります。こちらは八軒中央地区桜並木というそうで、「新川上の橋」~「鴨居橋」までの2.7㎞区間。こちらもきれいな並木ですが、右岸の新川さくら並木の方が有名です。
ところで、新川さくら並木は昔からあったわけではありません。新川連合町内会が中心になって、潤いのある地域を造ろうと、平成10年(1998年)から3年かけて地域住民の手で作り上げた桜並木です。
地元企業や団体、地域住民に寄付を募り、集まった2800万円で苗木を購入、地域住民の手で1本1本植樹したそうです。
それが20余年たって今、見事な桜並木になったというわけです。
今も地域住民でごみ拾いなどの環境美化活動を行い、この桜並木を中心にさまざまな町おこしに取り組んでいるそうです。
2018年には、国土交通大臣から「手づくり郷土(ふるさと)賞」に選定され、表彰されました。
新川連合町内会の名称も2014年に「新川さくら並木連合町内会」になりました。桜並木が地域の人たちの心を一つにしているのだなと思います。この桜並木は地域の誇りなのでしょう。
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