札幌市清田区女性部連絡協議会は、区内の各町内会女性部を通じて毎年行ってきた1円玉募金を、2022年度からやめることにしました。

 1円玉募金は昭和53年(1978年)、豊平区女性部連絡協議会が「家庭に眠っている1円玉を地域の福祉に役立てよう」と始めました。

 平成9年(1997年)、清田区が豊平区から分離して誕生した以降も、清田区女性部連絡協議会が引き継ぎ、各町内会女性部を通じて毎年秋に1円玉募金を行ってきました。2021年まで44年間続きました。

 集まった募金は、ここ数年、清田区全体で150万円ほどに達し、毎年12月に区内の福祉団体等に贈呈されてきました。各団体では備品やイベント活動費等に使っていました。

 1円玉募金は、区民の小さな善意の集まりでした。

 しかし、昔は金融機関の硬貨取扱は無料でしたが、銀行はコスト軽減のために硬貨両替の有料化を実施。最後まで無料で頑張ってくれた「ゆうちょ銀行」も2022年1月17日から有料化となりました。

毎年、歳末に1円玉募金は清田区内の福祉団体に贈られてきた

 1円玉募金は、1円玉のほか5円玉、10円玉などほとんど硬貨で集まってきます。それをゆうちょ銀行で紙幣に替えて、福祉団体に贈呈してきました。

 しかし、有料化により、集まった募金の多くが、ゆうちょ銀行の手数料に消えてしまうことが分かりました。

 例えば、1円玉1000枚を千円札に替えるのに1100円の取扱料がかかります。5円玉100枚を500円玉に替えるのに550円の取扱料がかかります。これでは、募金の意味がありません。

 募金の中には、取扱料が従来通り無料のままのものもあります。例えば共同募金などです。小さな善意の集まりである1円玉募金も取扱料金無料にならないものでしょうか。

 こういうことで、1円玉募金が終了するのは、なんだか寂しいものを感じます。

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