札幌市北区屯田に、東西に一直線に伸びる「屯田みずほ通り」(屯田緑道、屯田5条1丁目~12丁目)という長さ2600メートルの遊歩道があります。以前、ポプラ並木が続く創成川沿いの堤防を歩いていた時に、「屯田みずほ通り」の看板を見つけ、この並木道の存在を知りました。

屯田みずほ通り=2022年8月25日

屯田みずほ通り起点。ここから2600mまっすぐ西に伸びる

 どんな遊歩道なのか、2022年8月25日(木)、歩いてきました。創成川左岸の北区屯田5条1丁目に創成川緑地の駐車場があるので、ここに車を停めました。

 創成川緑地を約300メートル北に歩くと、創成川対岸の石狩街道と結ぶ「さなえ橋」があります。ここが屯田みずほ通りの起点です。

 創成川堤防緑地を左折して屯田みずほ通りに入ります。道はまっすぐ一直線に西に伸びていて、両側や中央分離帯は並木になっています。

屯田みずほ東公園

 道はアスファルト舗装になっていて、サイクリング道路としても使われているようです。周囲は普通の住宅街です。

屯田みずほ西公園

 屯田みずほ通りの少し南側に、屯田防風林があります。それに比べると、屯田みずほ通りは木々の数も少なく、ちょっと物足りない感じもしますが、それでもなかなか素敵な散歩道です。

 途中、屯田みずほ東公園(屯田6条5丁目)と屯田みずほ西公園(屯田6条9丁目)の2つの公園が道沿いにあります。2つとも公園内を小さな川が流れる緑濃い公園で、ここで少し休みました。

 屯田みずほ東公園から先(西側)は、両側の並木も大きく、かなり整備された散歩道になる感じです。シラカバやプラタナスが並木になっているところもありました。ナナカマドの実が少し赤く色づき始めていました。

 また、道沿いにはひまわりやコスモスなど、様々な花が咲いています。おそらく近所の方が花を植えているのでしょう。

 屯田みずほ通りは安春川にぶつかるところで終点です。道には100メートルおきに距離表示があり、ちょうど2600メートルの標識がありました。ここでUターンして戻りました。

シラカバ並木

 この遊歩道は、「北区歴史と文化の八十八選」に選ばれています。道の途中にあった説明板によると、大正5年(1916年)、篠路兵村(昔の屯田地区の呼び名)は起死回生の復興策として造田事業に取り掛かり、新川と創成川を水源とする灌漑溝(灌漑用水路)を造りました。

 これにより屯田地区は一大稲作地帯に生まれ変わり、昭和50年代まで稲作は65年間続いたそうです。

 水田は宅地化によりなくなり、灌漑溝も役目を終えましたが、創成川を水源とする灌漑溝の跡を緑道にしたのが、この屯田みずほ通りです。昭和61年(1986年)の完成だそうです。

プラタナスの並木

 屯田地区は、もともとは明治22年(1889年)、四国、九州、北陸など各県の士族220家族の篠路屯田兵の入植で始まりました。たびたびの石狩川の氾濫や水害で悩まされ、畑も凶作等で苦労が続いたそうです。

 その起死回生策が、灌漑溝造成による稲作地帯への大転換でした。

 屯田みずほ通りには、そうした先人の皆さんの歴史が刻まれているのですね。屯田みずほ通りの名前にある「みずほ=瑞穂」は、「みずみずしい稲の穂」という意味です。

 近くに屯田郷土資料館(屯田5条6丁目、屯田地区センター内、開館時間=13時~16時、月曜休み)があったので、立ち寄ってみました。屯田地区の歴史が分かります。館内に、かつての屯田兵屋が1棟、保存展示されていました。

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