安春川と遊歩道=2022年10月1日

 札幌市北区新琴似の安春川散策路(新琴似5条1丁目~10丁目)を訪ね、きれいに整備された全長1400mの遊歩道を歩いてきました(2022年10月1日)。

 川沿いの道路に車を停めて、散策を開始しました。

 川は、両側面と川底の3面が石垣で整備された水路になっていて、そこをきれいな水がさらさらと流れていきます。

川に入って魚を追う子ども

 川の両岸は遊歩道が整備され、ナナカマドやポプラなどの木々が植えられて、とてもきれいなプロムナードになっています。

川沿いにはポプラ並木も

 あずまややベンチなども所々に配置されていて、本を読んだりおしゃべりしたり、思い思いにくつろぐ人たちの姿がありました。

 散策する人も多く、地域のいこいの場になっているようです。水深が浅いので、子供たちは元気に川に入って小さな魚を網で追いかけていました。

ナナカマド

 周りは普通の住宅街ですが、この安春川散策路は時間が静かにゆったりと流れているような感じです。のどかで、のんびりした空間が続いています。

 安春川に来てびっくりしたのが、カモがたくさんいることです。人が近くを歩いていても、のんきに川の中にたたずんでいたり、川の中の岩にちょこんと座ったりしています。

のんきな雰囲気のカモたち

 こんなにたくさんのカモがいる公園・緑地は、すくなくとも札幌ではほかに見たことがありません。ここで冬を越すカモも多いそうです。

 安春川はもともと、新琴似に入植した屯田兵が明治23年(1890年)、水害防止と湿地帯の農地化を目指して、現在の新琴似5条2丁目から発寒川(屯田9条12丁目)に至る大排水溝(全長4.7㎞)として開削したものです。

安春川の始まりは、この滝から

 しかし、昭和40年代以降、札幌の発展とともに宅地化が進み、安春川はいつしか水の流れないままとなり、荒れた状態になったそうです。

安春川の始まりはJR学園都市線の高架下

 そこで、「先人の苦労を偲ぶプロムナード」として再生しようと、昭和62年(1987年)から整備を開始し、平成2年(1990年)に、麻生にある創成川水再生プラザ(下水処理場)からの高度処理水を新たな水源として安春川は復活、遊歩道も整備しました。

 安春川の始まりは、JR学園都市線の高架下にあります。小さな滝から流れ出していますが、この水は創成川水再生プラザから送水パイプで送られてきています。

河辺に咲いていたオオイヌタデの花

 流れている高度処理水とは、下水(汚水と雨水)を処理して河川などに放流できる水質に浄化した水です。

 安春川という川名は、安春川の開削を企画した屯田兵中隊長の安東さんと、工事を請け負った春山さんという人の名を1字ずつとって付いたそうです。

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