札幌北野少年少女合唱団を30年間という長きにわたって指導している北野小学校の室内文先生(清田区在住)が、晴れて令和5年度の札幌市社会教育功労者として表彰されました。
札幌市社会教育功労者の表彰は2023年11月28日、札幌パークホテルで行われた「さっぽろ市民表彰式」で行われ、室内先生は秋元札幌市長から表彰状を授与されました。
室内先生が指導する札幌北野少年少女合唱団は、子供たちの明るく伸び伸びした歌声が特徴で、その歌声は地域に元気を与えてきました。
合唱団は現在、小学生から大学生まで60名ほどの団員がいて、毎年1回の定期コンサートのほか、「区民まつり」、「北野地区青少年音楽のひろば」などで演奏、地域でも活動を行っています。
創団は1990年。当時、北野小学校の山下秀三先生が「北野児童合唱団」という名で創設しました。団員は北野小の児童20人~30人でした。
1993年、山下先生が定年退職したため、室内先生が山下先生に頼まれて合唱団を指導することになりました。室内先生も北野小学校の先生でしたが、その頃は子育てのためいったん教職を退いていました。
室内先生は音楽の先生ではなく、合唱の経験もなかったといいますが、自分なりに勉強して子供たちを指導してきたようです。
室内先生が指導を始めて2、3年経った頃、卒業生が「中学生になっても合唱を続けたい」というので、名称を今の「札幌北野少年少女合唱団」に変更、小学生から大学生までの合唱団とし、活動の幅を広げました。
最初は北野小児童だけだった団員も今では清田区全域、白石区、厚別区、豊平区などからも集まってきます。練習場所は創団以来ずうっと北野小で、毎週土曜日の午前中に練習します。
札幌北野少年少女合唱団は、子どもたちが前を向いて伸び伸びと元気いっぱいに歌うのが特徴で、選曲も前向きの歌が多く、大人も感動するステージを毎回見せてくれます。また、ステージで披露される子供たちのちょっとユーモラスな小ネタも可愛らしく、同合唱団の魅力の一つと言えます。
こういう子供たちをいつも優しいまなざしで見つめ、指導してきたのが室内先生です。室内先生の指導方針は「歌の上手な子を育てるというのではなく、音楽が好きで、豊かに生きていける子を育てる」というものだそうです。札幌北野少年少女合唱団のステージや子どもたちを見ていると、分かる気がします。
札幌北野少年少女合唱団は年1回、栗山町の雨煙別小学校コカ・コーラ環境ハウスなどでお泊り会を開催しますが、合唱の練習は一切なく、かくし芸大会などで思いっきり遊ぶそうです。
室内先生は子育てが一段落すると教員に復帰し、北野小のほか北野台小、三里塚小や他区の小学校に勤務しましたが、合唱団の活動拠点は常に北野小でした。そして今も北野小で5、6年生対象に算数を教えています。
今年は4月13日(土)、スプリングコンサートを札幌コンサートホールkitara小ホールで開催します。目下、子供たちとその練習に取り組んでいます。
また、今年9月には浜松市に遠征することが決まりました。これは札幌市と浜松市が音楽文化都市交流宣言を結んでいることから、その青少年音楽団体の相互訪問交流事業として札幌市が浜松市に送る団体として札幌北野少年少女合唱団に白羽の矢を立てたからです。
室内先生はじめ、団員、保護者、関係者の皆さんが作り上げてきた札幌北野少年少女合唱団は、清田区が誇れる地域の宝だと思います。
(※)令和5年度さっぽろ市民表彰式では、室内文先生のほかに清田区から元北野地区町内会連合会会長の伊藤昭夫さんが自治振興功労者として表彰されました。伊藤さんの記事は、こちらからご覧ください。
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