
森のあちこちでエゾエンゴサクが咲き始めていました(2025年4月17日)

ユースの森
春になったので、今年も「公園・緑地さんぽ」を始めます。円山動物園のすぐ裏側(西隣)に広がる自然林「ユースの森」(札幌市中央区宮の森1条14丁目)を散策してきました。エゾエンゴサクやエンレイソウ(延齢草)などの野の花が咲き始め、春の訪れを告げていました(2025年4月17日)。

エンレイソウ
「ユースの森」と呼ばれているのは、ここにかつて札幌市立の「宮ヶ丘ユースホステル」があったからです。昭和36年(1961年)に開業し、1999年までありました。今はほとんど痕跡がなく、森全体が原始林のようになっています。
円山公園第一駐車場(円山動物園西門前)に車を停めました(駐車料金700円)。

キバナノアマナ
駐車場を出て、道路を渡ると、そこはもう「ユースの森」です。看板は何もありません。「ユースの森」は通称なので、地図にも名称は載っていないようです。この「ユースの森」も円山公園の一部になっているようです。
「ユースの森」の中は、遊歩道が整備されていて歩きやすいですが、この時期は一部ぬかるんでいるところがありました。

フクジュソウ
森の中の遊歩道を歩いて行くと、キバナノアマナやエンレイソウ、エゾエンゴサク、フクジュソウ(福寿草)などが遊歩道沿いに咲き始めていました。なかでも、エゾエンゴサクの青い花がたくさん咲いていました。

東屋と広場
野の花の姿をみると、「今年も春が来た」という実感がわいてきます。ここの自然林の散策はとても気持ちがいいです。カメラを持って花や野鳥の写真を取りながら散策する人を結構見かけました。

水のきれいな小さな池
「ユースの森」にはちょっとした広場があり、ここには休憩する東屋とベンチがありました。でも、この森を説明する案内版はどこにもありません。

白い苞を出し始めたミズバショウ
かつて、ここに「宮ヶ丘ユースホステル」があったという説明もありません。説明板くらいあってもいいのに、と思います。
森の中に小さな池がありました。ミズバショウ(水芭蕉)が少し群生していますが、白い苞を出しているのは1、2個で、ミズバショウはこれからという感じでした。水がとてもきれいで、森の木々と相まってまるで絵のような景色でした。

宮ヶ丘ユースホステルの痕跡と思われる石垣
東屋の近くに、「宮ヶ丘ユースホステル」の痕跡らしい石垣がありました。そんなに高くない石垣が結構長く伸びています。この石垣の奥にユースホステルの建物があったのでしょうか。今ではすっかり森になってしまっています。

宮ヶ丘ユースホステル(札幌市公文書館所蔵)
調べてみると、宮ヶ丘ユースホステルは、北海道の気候風土に合った洋風建築を数多く手がけた、あの有名な田上義也(1899年~1991年)が設計したとのことです。サイロの展望台を持った建物でした。
かつて、北海道を旅した若者たちが、この宮ヶ丘ユースホステルで青春を謳歌したのでしょう。今、ここは原始の森になっています。
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