清田区にはすばらしい画家さんがいますね。清田区清田の画家、野島理さんが個展「野島理の世界・昭和30年代だった!」を札幌市中央区の「石の蔵ぎゃらりぃ はやし」(中央区北8条西1丁目1-3)で8月10日(木)から8月15日(火)まで開催しています。

小樽とも夕張とも思える懐かしの風景=100号

 会場の「石の蔵ぎゃらりぃ」に一歩入ると、そこはもう懐かしい昭和30年代の風景をモチーフにした「野島理ワールド」です。アクリル絵の具で描いた昭和30年代の心象風景の作品が30点、展示されています。

「昭和30年代情景画家」の野島理さん

 札幌や小樽、夕張などの昭和30年代の風景をモチーフに描いた作品が多いようです。写実ではなく、イメージをふくらました風景画です。でも、どの作品からも、あの懐かしい昭和30年代の香りが漂ってきます。

 にぎやかだった商店街を描いた作品は、まちのざわめきが聞こえてきそうです。まちには子供がたくさんいて、チャンバラごっこの作品もあります。子供の歓声も聞こえてきそうです。

昔懐かしい看板がたくさんある家。よく見ると看板の文字がおかしい

 昔懐かしい商店の看板も多数、描かれているのが野島さんの作品の特徴です。どの家も板ぶきで描かれています。そういえば、昭和30年代、家はモルタルではなく板張りの家が多かったですね。当時、多かったオート三輪車なども描かれています。

 「暮らしは大変だったけど、心は豊かだったのが昭和30年代。最も昭和的な時代で、あの時代が僕は好きです」と野島さんは言います。

 野島さんは、昭和34年、今の札幌市中央区南8条西8丁目の生まれで、幼少期に美園に移り住みます。根っからの札幌っ子で、子供時代の札幌や小樽などの風景が作品のモチーフになっているようです。

「図書館が来た」。懐かしい風景

 子供の頃から絵を描くのが好きで、専門学校を卒業して札幌のデザイン事務所に就職しました。昭和の風景や建物を描きだしたのは2002年からと言います。

 「最初は当時の風景を現場に行って取材して描いていましたが、だんだん取り壊されてしまい、自分の心象風景の昭和30年代を描くようになりました」と野島さん。

 東京の現代童画会に所属し、東京・上野で開催する同会の展覧会に作品を出品するなどの活動を行ってきました。2年前から札幌中心に活動して個展などを開催しています。

昭和30年代の市場のイメージ

 現在は清田の自宅兼アトリエで作品作りに励む毎日です。野島さんの名刺には「昭和30年代情景画家」と書かれています。ユニークな絵描きさんですね。

 昭和30年代、懐かしい風景が甦ります。どの絵もあたたかいです。個展は8月15日(火)まで。時間は11時~19時。最終日は17時まで。入場無料です。

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