札幌医療生活協同組合の札幌南青洲病院(里塚1条2丁目20-1)は今年、生協創立30周年と病院開院20周年を迎え6月11日(土)、記念講演&コンサートを札幌共済ホール(中央区北4条西1丁目)で開催しました。

前野宏理事長が基調講演

前野宏理事長が基調講演

 前野宏理事長が基調講演で「地域における緩和ケア」と題して、地域とともに歩んできた南青洲病院の20年を紹介し、医療ソーシャルワーカーからもお話もありました。

 特別講演として、北海道医療大学名誉教授の石垣靖子先生が「いま、改めてがんの痛みを考える」をテーマにお話ししました。

美しい調べに心が和みました

美しい調べに心が和みました

 講演の間には、アンサンブルグループ「奏楽」のみなさんによるコンサートが行われ、バッハ「G線上のアリア」など美しいメロディーが演奏されました。「奏楽」は、南青洲病院で何度かコンサートをしたことがあるそうです。会場には地域の人ら約260人が訪れ、講演とコンサート演奏を熱心に聴きました。

北海道医療大学・石垣靖子先生が特別講演

北海道医療大学・石垣靖子先生が特別講演

 札幌医療生協は1986年(昭和61年)に創立、病院は翌1987年に札幌台病院としてスタートしました。平成8年(1996年)に徳洲会と業務提携し、病院名を札幌南青洲病院と変更しました。

 平成13年(2001年)に現理事長の前野宏先生が院長として着任し、診療を「内科診療と緩和ケア」の2本柱に変更、平成15年(2003年)には札幌で4番目となるホスピス病棟を開設しました。

 地域に根差した病院として着実に歩んできた同病院は、現在、内科、消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腎臓内科、糖尿病内科、漢方内科などの診療科目があり、病床数は一般70床、ホスピス18床となっています。

 終末期のがん患者を診る緩和ケア(ホスピス)の存在がこの病院の特徴で、それが内科診療など病院全体の理念にも反映しているようです。記念講演でも前野理事長が「弱さに使えるこころ、ホスピスのこころを大切にする病院」とお話していたのが印象的でした。

札幌南青洲病院

札幌南青洲病院

 今年10月8日(土)と9日(日)、第40回日本死の臨床研究会年次大会(深めよう、広めようホスピスのこころ)が札幌コンベンションセンター(札幌市白石区東札幌)で開催されます。作家の倉本聰氏の特別講演などがあります。この事務局を札幌南青洲病院が担っています。

 また、札幌南青洲病院は2015年、清田区平岡に広大な土地(約7000坪)を取得しました。数年後には、平岡に移転し、同病院の理念と理想を実現する病院を開院する意向です。

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