里塚・美しが丘地区センター(清田区里塚2条5丁目)は今年、開館10周年を迎えます。これを記念して1月から、昭和30年代の心象風景を描く清田区清田9条3丁目の画家、野島理さんの絵画2、3点を月替わりで館内で展示・紹介しています。

昭和30年代情景画家、野島理さん
1月は3点を展示しています。今年夏には、野島さんの絵画展も同地区センターで開催します。

里美地区センターで作品を展示
「明日は今日よりきっと良くなる」。そう信じてみんなが頑張った昭和30年代。昭和34年、札幌市南8条西8丁目で生まれた野島さんは、子供の頃の昭和30年代という時代が大好きだといいます。そして当時の札幌や小樽、夕張などのまちの心象風景を描き続けています。
心象風景とは「現実ではなく心の中に思い描いたり、浮かんだり、刻み込まれている風景」(ウィキペディア)だそうです。野島さんの作品は写実ではなく、昭和30年代の北海道の心象風景を描いた独特な絵です。
にぎやかだった商店街や市場、昔懐かしい商店の看板、板ぶきの家並み、そこらじゅうにあった空き地、オート三輪やボンネットバスなどの懐かしい乗り物、チャンバラやベーゴマで遊ぶ子供たちなどが、あたたかいタッチで、アクリル絵の具を使って描かれています。
野島さんの作品からは、昭和30年代のまちのざわめきや子供たちの歓声が聞こえてきそうです。
じっと絵を見ていると、三橋美智也さんや島倉千代子さんらが歌ったあの時代の流行歌も聞こえてきそうな、そんな懐かしい絵ばかりです。
野島さんは「今より貧しかったけど心は豊かだった。あの時代は最も昭和らしい時代だったように思います。僕は大好きです」と言います。そういえば、映画「ALWAYS 3丁目の夕日」も昭和30年代の東京下町を描いた映画でしたね。
野島さんは専門学校を卒業して札幌のデザイン事務所に就職。商業デザインの仕事をしていましたが、仕事とは別に昭和の風景や建物を2002年ごろから描き出しました。
一時は、東京の現代童画会に所属し、東京・上野で開催する同会の展覧会に出品していました。3年前から札幌を中心に活動を始め、昨年8月にはJR札幌駅北口のギャラリーで個展を開催、好評を博しました。
野島さんはデザインの仕事やコンビニで働きながら、自宅のアトリエで毎日、絵を描き続けています。どの絵も懐かしくあたたかいです。ぜひ、里塚・美しが丘地区センターで野島さんの作品をご覧になり、しばし「昭和30年代」にタイムスリップしてみませんか。
[広告]