札幌冬季オリンピックの招致に向けて、札幌市は札幌ドームに隣接する農業試験場用地にアイスホッケーの競技場を建設する方向で検討しています。

札幌ドーム隣接地にアイスホッケー競技場構想

 1972年の札幌冬季オリンピックでは、アイスホッケー会場は月寒体育館(豊平区月寒東1条8丁目)でしたが、札幌市が招致を目指す2026年冬季オリンピックでは、アイスホッケー会場は男子が「つどーむ」(客席1万席、東区栄町885)、女子は札幌ドーム隣接地に新しく建設する競技場(客席6000席)を予定しているとのことです。

 新しい競技場の場所は、札幌ドームに隣接する天然芝移動式サッカーフィールド「ホヴァリングサッカーステージ」と屋外サッカー練習場のさらに清田側の農業試験場用地を予定しているとのことです。

 今の月寒体育館は、招致を目指す2026年札幌冬季オリンピックのカーリング競技会場として使用し、オリンピック後は解体する計画です。

月寒体育館

 月寒体育館は札幌オリンピックの競技場として昭和46年(1971年)に完成。オリンピック後も冬季アジア大会などの国際大会や国内大会のアイスホッケー会場として活用されてきました。普段は通年型スケートリンクとして一般開放されています。

月寒体育館の内部

 次期札幌オリンピックでカーリング会場として使われた後は解体され、札幌ドーム隣接地に建設する新競技場が月寒体育館の後継施設となると札幌市は説明しています。

 なお、月寒体育館近くには「どうぎんカーリングスタジアム」(豊平区月寒東1条9丁目)がありますが、ここは客席がないためオリンピックの競技会場としては使えず、オリンピック開催時のカーリング練習場として活用する予定だそうです。

 ところで、冬季オリンピック招致を目指している札幌市は当初、札幌ドーム隣接地に選手村(4500人収容)を建設し、オリンピック後は札幌ドームと選手村(集合住宅)を軸にオリンピックレガシーパークとして整備する計画を立てていました。その上で、秋元札幌市長は「地下鉄延伸も検討する」と発言していました。

 ところが、札幌市は昨年12月、突然、選手村は地下鉄真駒内駅前地区に変更するとしたのです。この変更は、地元清田区と豊平区の町内会連合会などでつくる地下鉄東豊線建設促進期成会連合会は「大変、遺憾である」との見解を発表しました。

 変更の理由は、オリンピック経費の削減だそうです。地下鉄真駒内地区を再開発し、オリンピック予算ではないお金で集合住宅を建て、それをオリンピック開催中、賃借して選手村にする構想を札幌市は練っているようです。

 札幌市は引き続き札幌ドームと新しい競技場を軸にオリンピックレガシー公園を整備し、さらに国の冬季ナショナルトレーニングセンターをここに誘致し、一帯をスポーツエリアとして整備する構想を持っています。

 もっとも、最近の北海道新聞の世論調査などによると、札幌市民のオリンピック招致熱は一時より冷めてきているようで、今後、冬季オリンピックが本当に招致できるのか、まだ不透明です。

 「地下鉄清田延伸」が悲願の清田区民にとっては、札幌ドームと周辺(国道36号線と羊ケ丘通に挟まれた農業試験場用地)の開発・活性化は大きな関心事であり、引き続き関連の動きを注視していきたいと思います。

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