2018年9月6日の北海道胆振東部地震で、宅地崩壊と建物被害が発生した札幌市清田区美しが丘地区では、今年6月ごろから札幌市の地盤補強の対策工事が始まる予定とされていましたが、いまだ着工していません。
札幌市によると、今秋に着工し、2021年度までかかる見通しだそうです。
美しが丘地区で地震被害が大きかったのは、美しが丘3条6丁目、同1条7丁目、同2条7丁目の一帯で、国道36号線と羊ヶ丘通を結ぶ里塚循環道路の両側の住宅街です。
里塚循環道路は、かつて三里川支流が流れていた川筋でした。宅地が造成された際、川は埋め立てられ、三里川支流は暗渠河川「三里東排水」となって、今も里塚循環道路の地下を流れています。
地震による液状化で、この地区の建物被害は160棟に達したといいます。
この地区は2003年の十勝沖地震でも液状化と思われる建物被害が起きています。
札幌市は、対策工事として、この地区一帯の道路の地中に暗渠間(有孔管)を埋設し、集まってくる地下水を集め、三里東排水に排水する方法をとることにしています。
これにより、地下水位の上昇を抑え、地震が起きても液状化を発生しにくくすることができるとしています。
この工事は今秋から開始し、2021年度までかかる見通しです。
里塚地区のように宅地に薬液を注入して地盤強化する工事は、美しが丘地区では行いません。