札幌市議会は3月12日(金)、予算特別委員会を開き、「地域交流拠点清田」について集中審議しました。清田区選出の恩村健太郎議員(民主市民連合)、竹内孝代議員(公明党)、吉岡弘子議員(共産党)、北村光一郎議員(自民党)の4氏(質問順)が質問に立ち、市側と議論を交わしました。

 4氏と市側のやり取りのすべてを、質問順に順次紹介します。今回は、竹内孝代議員です。

■竹内孝代議員

 地域交流拠点清田のまちづくりについて質問いたします。

 昨年10月の決算特別委員会において、清田におけるにぎわい・交流の創出に向けて、清田区役所をはじめとする市有地の活用などいくつかの提言をさせていただき、また、地域交流拠点の取り組みを進めるうえで、本市の考え方を明確に示すことを求めました。

 その際、村瀬プロジェクト担当部長からは、「区役所に隣接する市民交流広場のさらなる活用に向けて検討する、また、清田区民センターの将来的な建て替えにあたっては区役所周辺への移転を原則に検討する」との方針が示されたところです。

 さらに、その内容については、先日策定されました「地域交流拠点清田の拠点機能向上に向けた官民連携によるまちづくりの基本的な考え方」に盛り込んでいただいたことを評価させていただきます。

 また、この質疑では、まちづくりの主役である市民の声を丁寧に聞くべきであるとの求めに対し、「パブリックコメントを実施し、市民意見を幅広くうかがい反映していく」旨の答弁がありました。

 早速、昨年10月30日から12月8日までパブリックコメントが実施されました。清田のまちづくりは、多くの区民が関心を寄せている大事なものです。皆さんのご意見をしっかりと把握し今後のまちづくりに生かしていくことが重要だと考えます。

 そこで初めの質問ですが、「基本的な考え方」のパブリックコメントにおいて、清田区役所周辺のにぎわいや交流の創出について、どのような意見が寄せられたのかまず初めに確認をさせてください。

■村瀬利英札幌市まちづくり政策局プロジェクト担当部長

 「基本的な考え方」のパブリックコメントにおける清田区役所周辺のにぎわいや交流の創出に関する意見についてお答えします。

 パブリックコメントでは、清田区役所周辺において、親子連れや高齢者、障害者が気軽に利用できる店や、多様な世代が利用できる広場的なスペースを望むご意見、さらには新たなにぎわいづくりの検討を進めてほしいといったご意見が寄せられました。

 また、清田区民センターについて、区役所エリアへの移転が望ましいという意見が多く寄せられたところであります。

■竹内議員

 パブリックコメントでは、「新たなにぎわいを創出していくべきだ」また「清田区民センターの移転についても早期に行っていただきたい」といった声が寄せられていると思います。

 昨年の決算特別委員会でも縷々申し上げた通り、これまで清田区役所周辺では、各団体や企業、市民と協力して、「きよたマルシェ」や「きよフェス」などを開催して区役所周辺に人が集まるにぎわい創出のさまざまな取組を行ってまいりました。

 さらに、この3月には、区役所ロビーに、バスの接近情報が分かるデジタルサイネージや電子チャージ機、待合スペースを設置してバス利用者の利便性を向上させるほか、宅配便の受け取りができるロッカーも設置されるなど、とても素敵な空間が計画されており、区民に喜んでもらえる取り組みがまた一つ形になると思っています。

 区役所職員が、町内会や各団体、民間の事業者と丁寧に協議をしながら、人が訪れたくなるような、また、訪れやすくなるような取り組みが積み重ねられてきました。

 そうした中で、本市は、このたび令和3年度予算に「地域交流拠点清田の機能向上検討費」を計上し、清田区複合庁舎前の市民交流広場の機能拡充など区役所エリアでできる機能向上策の検討を進めていきます。

 清田区が誕生してからこれまで、悲願の地下鉄延伸と警察署設置をはじめ、札幌市による清田のまちづくりに向けた財政投資がないまま来たことへの市民の厳しいご意見は、市もご承知のことと思います。私は、今回の予算計上で、やっと大きな取り組みに向けてのスタート地点に立ったのだと思っています。

 そういった意味でも、今回の調査・検討については、市民に喜んでいただけるような、より良いものとなるよう、様々な角度から行っていただきたいと思っています。それには行政だけでなく、ぜひとも民間の力、アイデアをお借りするとともに、市民の声を十分に反映していただき、常日頃から立ち寄りたくなるような魅力的な空間になるよう実効性のある調査をすべきと考えています。

 そこで次の質問ですが、市民交流広場の機能拡充にあたり、民間活力を活用することについてどのように考えているのか、うかがいます。

■村瀬プロジェクト担当部長

 市民交流広場の機能拡充における民間活力についてお答えします。

 市民サービスの向上や、効果的まちづくりを進めていく上で、民間活力を活用することは大変重要と認識しております。従って、市民交流広場の機能向上にあたっては、民間事業者へのヒアリングとか、他都市における先進的な取組の調査を行いながら様々な可能性を検討する考えです。

 また民間事業者のみならず、地域の住民や各種団体なども含めた多様なまちづくりの主体と連携していくことで、区民が日常的に訪れたくなるような魅力的な空間となるよう進めていく所存であります。

■竹内議員

 民間活力の活用が大変重要だというご認識、また、民間事業者のヒアリングを行う、各団体や住民と連携していくといった答弁に期待をしています。

 次の質問に移ります。区民センター移転について、このたびのパブリックコメントでも区民センターの移転を望む声が多数寄せられています。実際、現在の区民センターは地域交流拠点清田の中心にある区役所からかなり離れておりまして、バス停留所からも遠く、公共交通のアクセスにも課題のある場所に立地しております。

 このように、地域交流拠点に区民センターがなく、区役所からも離れているのは、市内10区の中で清田区のみであり、区民の利便性向上のためには早急に移転を検討する必要があると考えています。

 昨年の決算特別委員会で、小西まちづくり政策局長から「地域交流拠点清田のまちづくりに向けて一歩でも二歩でも前に進めたい。しっかり取り組んで参りたい」との力強いご答弁をいただきました。この区民センターの早期移転というのは、様々な課題があるかもしれませんが、清田のまちづくりを進める上で、区民にとって大きな希望となる重要な事柄であると思います。

 そこで最後の質問ですが、清田区民センターの早期移転についてどのようにお考えか、小西まちづくり政策局長にうかがいます。

■小西正雄まちづくり政策局長

 清田区民センターの早期移転についてどう考えているかというご質問です。

 清田区民センターですが、これは分区前の昭和57年10月に、当時、コミュニティーセンターとして現在の位置に建てられたものであります。建築後38年ということで、鉄筋コンクリートの建物の耐用年数からすると、まだ建て替えの時期に至っているものではありません。

 一方、地域の方からは、「清田区役所周辺へ早期に移転してほしい」という強い要望があることは、私たちももちろん承知しております。また、札幌市としては、区民センター設置場所について、基本的には地域交流拠点に誘導することとしており、清田区民センターは清田区役所周辺に移転することが本来望ましいものと考えております。

 従って、清田区民センターの早期移転の可能性については、どういった解決策が考えられるのか、関係部局とも真摯に検討を進めてまいりたいということです。

■竹内議員

 区民の強い要望を受け止めて真摯に検討してくださるとのご答弁、ありがとうございました。

 今、「区民センターはまだ建て替え時期ではない」とのご答弁がありましたが、現在の区民センターの跡活用について、可能性の一つとして提案させていただきたいことがあります。

 近年多発する災害と、今般の感染症の2つの対策強化の観点から、備蓄等の整備充実とその補完場所の確保が必要とされています。そういった中で、豊平川をはさんだ一方のエリアであること、高速道路の出口からも近いということ、そして何よりも震災で甚大な被害を受け復興へ大きな歩みを進めてきた清田区の新たな使命として、清田区民センターを防災減災関連の拠点としてすぐにでも活用していただきたいと思います。

 市長は常日頃から、市民目線、市民意見を大切にする、また特定の組織で行うのではなく、横断的なオール札幌で取り組む、この2点を強く主張されていると承知しております。今後の清田のまちづくりを進めるうえでは、市民は何を課題とし、そして何を求めているのかといった視点を踏まえたものを主軸にしていただくこと、そしてまちづくり政策局を中心に今後は市民文化局、危機管理対策室、保健福祉局など関係部局との連携体制の構築による広い視点からの検討を求めたいと思います。

 一方で、この清田区民センターの早期移転は、本市の事業計画外の案件であることを承知しておりますので、これを前へ進めるためには、今後のまちづくり戦略ビジョン策定をはじめ、アクションプラン等の各計画の見直しの際には、清田の地域交流拠点の課題解決について早期に取り組む旨を盛り込んでいただく必要があることも指摘させていただきます。

 清田区の区民、各団体、地元企業そして清田区選出議員全員が要望する、この清田のまちづくり前進について、その思いを受け止めていただき、着実に実行することを強く求めて質問を終わらせていただきます。

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