札幌市議会は3月12日(金)、予算特別委員会を開き、「地域交流拠点清田」について集中審議しました。清田区選出の恩村健太郎議員(民主市民連合)、竹内孝代議員(公明党)、吉岡弘子議員(共産党)、北村光一郎議員(自民党)の4氏(質問順)が質問に立ち、市側と議論を交わしました。

 4氏と市側のやり取りのすべてを、質問順に順次紹介します。今回は、北村光一郎議員です。

(注)以下のやり取りの中で、「平岡地区の民間事業者」「今回の民間事業者」「平岡3条5丁目地区」とは、いずれもイオン札幌平岡店(イオン北海道)のことです。

■北村光一郎議員

 清田区役所周辺のエリアが札幌市の長期総合計画に位置付けられたのは、昭和63年の第3次長期総合計画が最初です。その後、平成12年1月に策定された第4次長期総合計画において、地域中心核として位置づけられるとともに、同時期には、「清田区まちづくりビジョン2020」が策定され、区民は地下鉄東豊線の延伸や地域中心核としてのまちづくり計画が策定されるといった、このエリアの将来展望に胸を躍らせたものでありました。

 その後、平成25年10月に策定された札幌市まちづくり戦略ビジョンにおいて、公共機能や商業、業務、医療などの中核的な都市機能の集約や居住機能の複合化を促進することで、多様な交流を支える地域交流拠点にも位置づけられました。平成28年3月に策定された第2次札幌市都市計画マスタープランでは、先行的に取り組む地域交流拠点の一つに位置付けられたところでもあります。

 しかしながら、平成9年に豊平区より分区して清田区が誕生してから23年が経過しますが、地下鉄東豊線の延伸はいまだ実現せず、また地域交流拠点清田における機能向上も大きく進んでいるとはいいがたい状況です。区民の不満や失望が高まっているのは当然のことであります。

 地下鉄東豊線の延伸については、「札幌冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の招致に合わせて行う札幌ドーム周辺の土地利用の在り方検討を踏まえて検証を行う」と聞いていますが、引き続きしっかりと検討を進めていただきたいと思っております。

 一方、地域交流拠点の機能強化については、先日、「地域交流拠点清田の拠点機能向上に向けた官民連携によるまちづくりの基本的な考え方」が策定されたところであり、これから具体的に取り組みが進められていくものと考えます。

 そこで質問ですが、清田区役所周辺エリアである地域交流拠点清田について、これまでどのような取り組みを行い、今後、どのように強化していく考えか、改めて確認いたします。

■村瀬利英札幌市まちづくり政策局プロジェクト担当部長

 地域交流拠点清田におけるこれまでの取り組みと今後の強化についてお答えします。

 地域交流拠点清田における都市機能の集積、にぎわい・交流の創出に向けて、これまで平成29年1月に地域交流拠点等における開発を誘導する制度を創設、また、令和元年8月には用途地域の変更といった土地利用計画制度の運用見直しなどを行ってきたところです。

 しかしながら、地域交流拠点清田は市の施設を含め、比較的新しい建物が多いことから、都市機能の集積が進む契機となる建て替え更新の機会が少ない状況にあって、取り組みの成果が発現するに至っておりません。

 そこで地域交流拠点清田を補完するものとして、周辺の地域にも視野を広げて民間の活力を積極的に活用する新たな取り組みを推進していくこととして今回、「地域交流拠点清田の拠点機能向上に向けた官民連携によるまちづくりの基本的な考え方」を策定したところであります。

 今後ですが、具体的にこの「基本的な考え方」に基づいて、地域交流拠点清田においては、市民交流広場の機能拡充とか、将来的な区民センターの建て替え移転などについて検討を行う考えです。

 また、平岡地区の民間事業者が新たに整備を検討している広場などと清田にある市民交流広場とで連携し、イベントを積み重ねていく考えであります。それにより、両地区間の人の往来を醸成するなど、お互いに効果を及ぼし合い、魅力を高め合うことにより、地域交流拠点清田におけるにぎわい・交流の創出や民間開発の誘発などにつなげていきたいと考えています。

■北村議員

 市の基本的な考え方を確認させていただきました。

 「基本的な考え方」についてのパブリックコメントにおいて、今回の民間事業者との連携によるまちづくりを進めていくという方向性について、「唐突で驚いた」といった意見もあったと聞いております。

 地域交流拠点清田のまちづくりについては、区民の関心も高く、平岡3条5丁目地区と連携というのは距離的に難しい面もあると思いますが、今後、具体的に取り組みを進めていくにあたっては、唐突などということが言われることなく、より丁寧に区民の声を聞いて進めていく必要があると考えます。

 そこで質問ですが、「基本的な考え方」策定に至るまでの区民意見の取り入れ方と今後、

 具体的な取り組みを進めるにあたり、どのように区民意見を取り入れていくのかをうかがいます。

■村瀬プロジェクト担当部長

 「基本的な考え方」作成に係る区民意見の取り入れ方と、今後の区民意見の取り入れ方についてお答えします。

 「基本的な考え方」については、区民の関心が高いと考えて、区民の意見を丁寧にお聞きしていくことが重要と認識しております。策定にあたりましては、きよたまちづくり区民会議、清田区町内会連合会連絡協議会の会長会議において説明を行い、いただいたご意見を踏まえて「基本的な考え方」の案を作成しました。

 この案について、パブリックコメントを実施するにあたり、通常30日程度の募集期間を40日間設けて、市役所や各区役所、清田区内のまちづくりセンターへの配架や広報さっぽろ及び札幌市公式ホームページへの掲載に加えまして、清田区内での町内会の回覧板でもお知らせを行うなど広く周知に努めたところです。

 今後についてですが、令和3年度においては、市民交流広場の機能拡充に向けたワークショップを通して、広く区民の意見を聴きながら、具体的な取り組みを検討していきたいと考えています。また、令和4年度以降についても、様々な形で区民の意見を取り入れてまいりたいと考えています。

■北村議員

 様々な意見を取り入れていることを理解しました。

 「地域交流拠点清田の拠点機能向上に向けた官民連携によるまちづくりの基本的な考え方」において、清田区民センターの将来的な建て替えに向けては、区役所周辺への移転を原則として検討することを明確に示されたことは、評価をいたします。

 パブリックコメントにおいても、移転時期の前倒しを望む意見が多く提出されており、区民センター移転建て替えは、清田の拠点機能向上に向けた札幌市の具体的な取り組みとして、区民も大きな期待を寄せているところであります。

 そこで質問ですが、区民センターの移転場所をどういった観点で検討していくつもりか、うかがいます。

■村瀬プロジェクト担当部長

 清田区民センターの移転場所についてお答えします。

 現段階におきましては、区民センターの移転場所として確定しているものはないものの、清田区複合庁舎が建つ市有地を基本に、区役所との連携のしやすさや市民交流広場、駐車場との位置関係、利用者のアクセス性などを考慮しながら検討していくことになると考えています。

■北村議員

 最後に、札幌市のまちづくりの中で、市有建築物やスポーツ施設等の適正配置が検討されています。清田区のまちづくりにおいても、交番やまちづくりセンターなどといった施設の適正配置について、しっかりと検討していただきたいと申し上げて私の質問を終わります。

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