石狩川の河口部に広がる「はまなすの丘公園」(石狩市浜町)に行き、潮風に吹かれながら雄大な風景と、ハマナスやハマヒルガオなどの海浜植物の花を見てきました(2021年7月4日)。

はまなすの丘公園=2021年7月4日
はまなすの丘公園は、石狩灯台付近から石狩川の河口部まで約1.7㎞伸びる砂嘴(さし)の公園で、広さは46ヘクタールもあります。石狩川が運んできた砂の堆積によってできた地形です。
石狩灯台は1892年(明治25年)の開設。当時は、灯台は河口近くにあり、石狩川河口部まで200メートルほどだったそうです。その後およそ100年間で砂嘴が1300メートルも伸びたそうです。

石狩灯台

ハマナスの花
石狩灯台は、昭和32年(1957年)の松竹映画「喜びも悲しみも幾年月」の撮影の舞台になった灯台で、それまで白と黒の縞模様でしたが、カラー効果を狙って白と赤に塗り替えられ、今日に至っているそうです。

ハマヒルガオ
灯台近くにヴィジターセンターの駐車場があり、ここに車を停めて散策開始。灯台はヴィジターセンターのすぐ目の前です。木道が整備されていて、雄大な風景が広がります。高い木が1本もないので、どこまでも木道が続く風景は、なかなか見ごたえがあります。

エゾカワラナデシコ
木道の脇には、ハマナスやハマヒルガオ、エゾカワラナデシコなどの海浜植物の花が咲いています。ここには、180種もの海浜植物が自生しているそうで、まさに天然の花畑、原生花園でもあるようです。

ハマエンドウ
風が強く、帽子が飛ばされそうです。小さな野鳥が風に向かって飛ぼうとしていますが、風に押し戻されているのか、空中でまったく前に進めず、ピーピー鳴いていました。
いつも強風にさらされているせいか、ここのハマナスは背丈が低く、花も街なかで見かけるハマナスよりも小ぶりな感じです。自然の厳しさを感じます。

遊歩道の途中にある東屋
砂嘴の先端(石狩川河口部)に向かって木道を歩いて行くと、やがて木道は終わり、普通の砂利の散歩道になります。ヴィジターセンターから900メートルほどで東屋(あずまや)に着きました。

東屋から砂嘴を横断し、海側に出る道
ここから砂嘴を410メートル横断すると、海側に出ました。砂浜になっていて、石狩湾が目の前に広がっています。

砂嘴の先端に向かって砂浜を歩きます
ここからは砂浜を歩いて砂嘴の先端、石狩川河口部まで歩きます(550メートル)。風が強いのに、海に波はまったくなく、不思議な光景でした。
砂嘴の先端は、結構広い砂浜になっています。石狩川が海に注いでいて、少し砂の色をした川の水が帯状になって沖合に出ていくのが、かすかに見て取れます。石狩川の河口はこうなっているのかと、ちょっと感動ものでした。
何人かの人たちが砂嘴の先端の砂浜で、海のかなたを見入っていました。

砂嘴の先端、石狩川が海に注ぐ河口部の風景

ノハナショウブ
帰りは、石狩川側の散歩道を歩いて戻ります。途中、湿原になっているところがあり、濃い紫色のノハナショウブが群生していました。

ハマボウフウ
ノハナショウブの群生地が終わると、再びさっきの東屋に到着です(砂嘴先端から東屋まで760メートル)。ここで少し休憩を取り、再び、もと来た道を石狩灯台に向かって歩いて戻りました。
ヴィジターセンターを出発し、砂嘴先端の石狩河口部まで行って戻ってくると、およそ3.5キロの距離です。

ノコギリソウ
ちょっとタフな散策になりますが、ハマナスなど様々な海浜植物の花に癒され、雄大な風景を見ながらの散策なので、そんなに疲れもなく歩けました。
ヴィジターセンターでは、ハマナスソフトクリームを300円で販売しており、散策の終わりにいただきました。

石狩浜海浜植物保護センター。手前は見本園
ヴィジターセンターでは、石狩灯台の説明はありますが、砂嘴や海浜植物の説明がなかったので、石狩浜海水浴場(あそびーち石狩)向かいの石狩浜海浜植物保護センター(石狩市弁天町48-1)に行ってみました。
ここには、はまなすの丘公園に咲く様々な花の見本園やハマナス再生園があり、さらに砂嘴の地形等の説明もあり、勉強になりました。入館無料です。
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