2018年9月6日未明の北海道胆振東部地震から3年。液状化による地盤陥没、宅地崩壊で大きな建物被害が発生した札幌市清田区の里塚地区で9月5日(日)、「里塚中央震災復旧工事完了の集い」(明日に向かって)が行われました。

挨拶する盛田里塚中央町内会長
里塚地区は、あの地震で里塚1条1丁目を中心に半壊以上の建物が106棟に達するなど大きな被害が発生しました。
里塚中央町内会(盛田久夫会長)を中心に里塚1条1丁目~3丁目の住民は、地震1か月後の2018年10月4日には、里塚中央災害復興委員会をいち早く結成。被災住民の声を集め、市に被災地の要望を届けるなど復旧復興に努めてきました。

復旧完了の集い=里塚中央ぽぷら公園
これに札幌市もこたえて早期の復旧にこぎつけました。地域と行政、工事業者(五洋建設、伊藤組土建ほか)らが一体となって取り組んだことが、早期復旧につながったと思われます。

集いに参加した地域住民
陥没した道路の整地などを行った後、道路や宅地の地盤補強工事を2019年5月から開始。2020年12月には地盤補強の復旧工事を終了しました。
その後、最後に残った里塚中央ぽぷら公園(里塚1条1丁目)の復旧工事を今年5月に開始し、この9月3日に完了しました。
これで札幌市による里塚中央地区の復旧工事はすべて終了したことになります。
9月5日の「里塚中央震災復旧工事完了の集い」は、復旧なった里塚中央ぽぷら公園で午前10時30分から、秋晴れの下で行われました。地域の住民や札幌市、清田区、工事会社の関係者ら総勢70名ほどが参加しました。
初めに盛田久夫里塚中央町内会長が「この3年間、いろいろな方々にご尽力いただきました。感謝でいっぱいです」と、述べました。
続いて秋元札幌市長のビデオレターによる挨拶が会場に流れました。

岩本剛人参議院議員
里塚中央災害復興委員会の発足などの助言を行ってきた参議院議員岩本剛人さんも来賓挨拶し、この3年間の苦労や頑張りを振り返りました。

小角武嗣前清田区長(札幌市まちづくり政策局長)
また、小角武嗣前清田区長や札幌市市街地復旧推進室、五洋建設、伊藤組土建などに盛田会長から感謝状が贈られたほか、震災後、里塚中央ぽぷら公園に開設した現地事務所に詰めた市職員2名にも特別に感謝状が贈られました。

現地事務所の市職員にも地元から感謝状
公園内には、地震と復旧の記憶を残す石碑(伝承碑)が設けられ、集いの中でお披露目されました。
伝承碑は、里塚中央町内会と里塚中央災害復興委員会が設置したもので、復旧工事の様子を示す絵図が描かれ、以下の文章が記されています。

伝承碑の除幕式
「2018年9月6日3時7分に発生した北海道胆振東部地震は液状化現象を起こし、里塚中央ぽぷら公園をはじめ多くの家屋に甚大な被害をもたらしました。

伝承碑
地震発生直後から住民と企業と行政が助け合い、協力した結果、全国的に例を見ない早さで復旧を果たしました。
ここに復旧に携わっていただいたすべての方々に感謝するとともに、今後このような災害が二度と起きないことを願い、後世へ伝えるべく証としてここに伝承碑を設置します」
最後に、地域の先頭になって頑張ってきた里塚中央災害復興委員会のメンバーが前に出て一列に並び、紹介されました。参加者から大きな拍手が送られました。ご苦労様でした。

頑張りました!里塚中央災害復興委員会の皆さん
集いの会場では、この3年間の復旧工事の歩みを示すパネル展示も行われました。
里塚中央ぽぷら公園は、この日から地域住民に開放され、早速、子供たちが真新しい遊具で遊ぶ姿が見られました。3年ぶりに子供たちの歓声が戻ってきました。
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